90日、愛する時間
(2006年、韓国MBC)

脚本/パク・ヘヨン

http://www.bs-j.co.jp/90days/


第8話 傷つく者たち


--------------------------------------------------------
1秒でも惜しい。大事な時間を貴方は私から奪うのねと
チョンランはミヨンに語る。夫の死期は近いから上手く行けば
貴方の夫にばれないと思ったのか?夫の死は貴方には好都合で
しょうとして厚かましい人だと容赦なく責めるチョンラン。
夫は渡さない。死なれるだけでも辛いのにと告げる。

トックはジソクに逢う。
ジソクが病気の事実を知った後にも変わった様子を見せない
ので、トックは彼の病気の事実は嘘ではないかと疑う。しかし
ジソクは望みはただ一つであり、会いたい人も一人であると
して、死ぬことになんの躊躇いもないことを見せる。

ジソクの母がチョンランたちの元へとやってくる。
ジソクが相変わらず帰宅しないことに苛立ちを見せ、今すぐ
夫に電話しろと責める。するとチョンランは母に同居のことを
口にする。

ジソクは病院へ。
診察するチョンランから、今後は痛みも酷くなり薬も効かなく
なることを告げられる。低血糖で卒倒することもあるという。
外出や運転は控えて、出来れば入院しろと忠告される。

一方チョンランはアメリカに居る母に韓国でヘジンを育てたい
ので連れてきて欲しいことをお願いする。
--------------------------------------------------------

相変わらずジソクのムカツキ具合は度を超えて、腹の立つ
ドラマと仕上がっている。
冒頭からトックが心配しているのに馬鹿呼ばわりする所は、
何様だとちゃぶ台返ししたくなった。

今回は如何に二人が酷いことをして周りに迷惑を掛けている
のかを描いた話でもある。

ジソクとミヨンが結ばれようとしているのを見て攻撃に出る
チョンラン。
家族を寄せ集めてジソクが相手の元に行くのを引き留めさせる
作戦。家族としての情を持ち合わせない彼がこれしきの事で
引き留められるだろうか。子供が脈絡もなくアメリカに居たり
する設定は、この日の為にあったのだろうな。
そもそもジソクの母がどこに住んでいるのかもよく分からない
し、ジソクの実の妹・ジヒが殆ど居ないも同じ扱いなのが笑え
るのだが、その内効果的な所で出てくるのかな。

ドラマとしての興味は、ジソクの末期癌の事実に対して、知ら
ない人が結構居るところだと思う。今回、ようやくミヨンの夫
テフンにその事実が伝わったわけだが、ジソクの母は未だに
知らない状態。知ったときにどんなリアクションを取るのか
興味深い。

今回は殆どミヨンとジソクが二人で直接に会うシーンが無かった。
メールばかりのやりとりが続き、ミヨンが住んでいたアパート
の部屋を取ったことで、ここが密会の場所になっていったりする
のかな。

最後はまた実に複雑にしてくれる展開だ。
チョンランの意図を知ったジソクが彼女の元へ会いに行く。
お前も意外と執念深いなというジソクだが、夫婦なんだし当たり
前だろうと小一時間。
相変わらずガンで有ることを盾にして最後の願い攻撃。
この辺の狡賢さが、この主人公を好きになれない点だ。
傷つけた報いは受けると言っているが、どうやって受けるつもり
なのだろうか。チョンランが語っているが、報復する方法が
無いという弱い立場の人間にこれ程酷い仕打ちをして、最後の
願いなどと言う卑怯な手を使い自分の欲求ばかりを満たそうと
する。本当に反吐が出るような主人公です。

テフンも実に可愛そうだが、何故チェ部長が彼のことを裏切り
もの扱いするのかイマイチわからず。舌足らずな演出が多い
ドラマだね。子供が居てミヨンがいて、三人のささやかな幸せ
さえも奪おうとするジソク。
ミヨンに子供が出来ない様な状況を予め作っておいたところが
演出的に活きていると思う。ミヨンに子供がいれば、母性が
生まれてミヨンはジソクに傾かないだろうからね。

ヒョン・ジソク (カン・ジファン) 主人公。
コ・ミヨン (キム・ハヌル) 耳の具合が悪い
キム・テフン (ユン・ヒソク)
パク・チョンラン (チョン・ヘヨン) 銀行の支店長娘

パク・トック (キム・ヒョンボム) ジソクの友人
ピョンチャン () ジソクの友人
ジソクの父 (イ・ジェヨン)
ワンボン () ミヨンの父。国語教師
パク常務 () チョンランの父。銀行経営

ジヒ () ジソクの妹
ワルスク () ミヨンの友人・職場の同僚

評価:★★★☆☆☆☆☆☆☆ (3.0)

inserted by FC2 system