アイリス
(韓国KBS 2009年10月14日から12月17日)

演出:キム・ギュテ、ヤン・ユノ
脚本:キム・ヒョンジュン、チョ・ギュウォン、キム・ジェウン

http://www.tbs.co.jp/iris2010/


第18話 今夜怒涛の最終回2時間スペシャルだ!ついに明かされる恋人
の正体は…?親友サウの壮絶過ぎる死!巨大な陰謀に巻きこまれた数
奇な男の結末を目撃せよ

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サンとサウが脱走したのを知ってNSSに復帰したヒョンジュン。

南北会談が近づく中、秘書室長の乗った車が爆破され、その近
くに居たビックを見つけヒョンジュンとソンファは車で尾行す
る。
一方NSSでも秘書室長の訃報を聞く。テソンはスンヒに秘書室長
が暗殺された事を語る。
サンヒョンはヒョンジュンにも秘書室長が暗殺された事実を
電話で伝えると、彼は現在その容疑者を尾行中である事を告げる。
ビックのアジトにいくと、ヒョンジュンは彼に銃を突きつける。
笑みを浮かべるビックに対して、思い切り蹴り飛ばす。
ヒョンジュンはユキの写真を見せて、この子を殺した罪は決して
消えることが無いとし、ミジョン殺害についても彼はビックに
責任を取らせるように、何度も蹴り飛ばして動けなくする。
そしてサンの居場所を尋ねると、ビックはオレを裁くことなど
神でさえ出来無いと告げる。それを聞いてヒョンジュンは殴り
飛ばす。手がかりを探そうと部屋を調べていると、生きていた
ビックが隠していた銃を取りだしヒョンジュンを射殺しようと
する。ソンファが声を挙げたお陰で、ヒョンジュンは彼より先
にビックに銃弾を食らわせる。

スジンは大統領に秘書室長が暗殺された事を告げ、この件は
北側に責任を追及すべきだと告げる。
チョリョンは、3日後に特使が南側に渡り、会談の日程を決める
事を告げる。

その頃アイリスでは次なる計画を立てていた。
人質を全て殺すという者にサウは目的は人を殺すことではない
と告げる。そんなサウのリーダーぶりを見て、サウの決断は
甘すぎるとサンに反発の声が渡る。しかしサンは、サウの決断
は私の決断と同じだとして黙って従うよう告げる。

サウはサンの元に行く。するとサンはサウの事を金目当ての
傭兵とは次元が違う事を告げ、この世の中は力がある者が動か
せる事を告げる。じきにその事が分かるようになるだろうとの
事。お前は現在一世一代のチャンスを得ており、命を賭ける価値
が有るという。お前は私を越えるところまで行けると告げる。

任務を終えてNSS帰宅したヒョンジュンは、スンヒの姿を見て
彼女が隠していることとは一体何かを考える。
そんな中、ヒョンジュンはチョリョンから呼び出される。
会談までには何とか事態を解決するしかない事を告げる。互い
にサンの居場所が分からない事を語り合い、アイリスは知れば
知るほど巨大なパズルの様だと告げる。恐らく全体像を把握
している人物など居ないだろうという。
そんな中、チョリョンはいつか人民の力で人民のための国を作る
という信念の元でこれまでやってきた事を語る。それを汚そう
とするものたちは決して許さないという。ヒョンジュンは、
オレにはそんな忠誠心は無いのにここまで来たことを不思議に
感じる。まるで運命のようになっていたとの事。

そんな中、ビックの部屋に有ったワインの購入者が判明する。
京畿道のゴルフクラブであるという。そのゴルフクラブには
VIPのワイン貯蔵庫があると言い、ベクラスという多国籍企業
が経営しているという。その企業は軍産複合体企業である事を
知る。

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アイリスの次なる計画とは?

イマイチ効果的な計画なのかよく分からないものだったけど、
ショッピングモールを占拠して、自分たちの要求を大統領に突
きつけるというものだった。

アイリスの内部でもサウ派とテロ派で意見が分かれて、現場で
撃ち合いになるというマヌケな構図。

ここではサウとヒョンジュンの最後の協力関係とサウの死を演出
するために舞台を用意した感じだね。
そしてミスター・ブラックなる人物の不可解な行動を表した
感じだった。

アイリスの3%足りない演出

毎回のように敵味方が窮地に立たされた際に、どのように脱出
するのか。その辺の過程がこのドラマでは省かれてしまう傾向に
有る。今回はショッピングモールでの銃撃戦を装い、テロリスト
たちは逃げたとするけれど、その道筋が明らかにされず、次の
瞬間全員が助かっている映像がある。この道筋の中にワンカット
でも工作している絵が映れば、ドラマとしては納得感が出る
ハズだ。まぁ今回の場合は、テロリストが生きていること自体が
サプライズとして使われたので、そういう演出が出来無かったの
は分かるけどね。

韓国と北朝鮮、全く違う思想の持ち主が協力する現実

韓国のドラマの偉いところは、仮想敵国だとする相手に対して
も、決してドラマの中では単なる残忍な悪者として描かない所だ。
韓国が北朝鮮を悪く描くドラマってあまり少ないし、日本に
関しても、世論の反日活動とは逆に、案外大人しい物がある。
勿論日本で最も収益を上げている韓国ドラマに有って、日本を
悪く描くことは出来無いと思うけどね。

このドラマでもアイリスという無国籍の集団が暴れていた感じ
の話だった。

主要人物の末路

サン=ヒョンジュンが逮捕
ビック=ヒョンジュンが撃ち殺す
ソンファ=撃たれるが無事
サウ=ヒョンジュンを助けるためテロに撃たれて死亡
大統領=スジンに銃を向けられるが間一髪助かる

二度に渡る銃撃戦

ショッピングモールでの銃撃戦の後は再度、大統領の会見の場
での銃撃戦だった。少々似たような毛色だった事で、後半の
銃撃戦はやや妙味を失った感じもする。
それでも大統領が撃たれそうになったり、ヒョンジュンを庇って
ソンファが撃たれたり、スンヒの行動の意味を考えさせられる
分だけ、内容としては濃くなったかな。

意外とアイリスは大したことがない?

ヒョンジュン一人の活躍を抽出してしまうと、どうしてもアイ
リスという組織自体が小さく見えてしまう。
大統領の広報企画官がアイリスに関わっていたこと、そしてNSS
の局長がアイリスに関わっていたことで、韓国社会に蔓延って
いる様子が描かれるが、もう少し経済界を巻き込んだり、日本
の社会も巻き込んだドラマにしないと、やや組織の規模自体が
大きく感じられない。

何だかイマイチ良く解らない事ばかり

ドラマとしてアイリスが一連の事件を起こすことで、どの様な
利益を得られるのかが全体として掴みづらい。

スンヒが関わっているのも、サンとの関係だけでなく、背景には
ブラックとの繋がりがあるのかも知れないが、その辺も想像の
域を超えていない。

ヒョンジュンが今更殺害される理由も良く解らず、最終的には
2作目へ興味を繋いだ形なのか。

何よりもう少しNSSの体制を整え直した方が良いのかも。

サウの存在が微妙だったな。
最後はヒョンジュンも彼のことを理解していたようだけど、散々
危険に陥れて最後は良い奴で終わってしまうというのも、予想で
きる結末とはいえ、何だか心情としては収まらない気持ちが強い。


キム・ヒョンジュン …… イ・ビョンホン (NSS国家安全局)
チェ・スンヒ …… キム・テヒ (NSS国家安全局)
チン・サウ …… チョン・ジュノ (NSS国家安全局)

ペク・サン …… キム・ヨンチョル (NSS国家安全局・副局長)
パク・サンヒョン …… ユン・ジェムン (NSS国家安全局・室長)
オ・ヒョンギュ …… ユン・ジュサン (科学捜査室・室長)
ヤン・ミジョン …… ジュニ (NSS国家安全局・ハッカー)
ファン・テソン …… キム・デジン (NSS国家安全局)
ヤン・ジョンイン …… キム・ヘジン (NSS、スンヒの友人)
オ・ソンシク …… キル・グムソン (NSS国家安全局)
ファン・ミンギュ …… ペク・シン (NSS国家安全局・眼鏡天パー)

パク・チョリョン …… キム・スンウ (北朝鮮護衛部)
キム・ソンファ …… キム・ソヨン (北朝鮮護衛部)
ビック …… チェ・スンヒョンT.O.P (敵)
パク・ジュングォン …… パク・スヒョン (北朝鮮護衛部)
ヨン・ギフン …… チェ・ジョンファン (北朝鮮・労働党委員)

チョ・ミョンホ …… イ・ジョンギル (大統領)
ホン・スジン …… ミョン・ジヨン (官邸広報企画官)
チョン・ヒョンジュン …… チョン・ハニョン (秘書室長・眼鏡)
クォン・オヒョン …… チョン・ジョンジュン (政務首席・白髪)
ユ・ガンオ …… パク・ヨンギ (外交安保首席)

カン・ドチョル …… チャン・ドンシク (北朝鮮工作員)
ペク・ギョンファ …… イ・オンジョン (北朝鮮工作員)
オ・グァンス …… ヨ・ホミン (北朝鮮工作員)
キム・ヒョンソク …… キム・ミンチャン (北朝鮮工作員)
テヨン …… イ・サビ
ヨンボム …… ???
ガンソク …… 
ジェヨン …… (北朝鮮工作員・女)

キム・ジュングク …… ??? (ヒョンジュンの父?)
ユン・ミヒョン …… ??? (ヒョンジュンの母?)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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