ブラック・レイン (1989年)
BLACK RAIN

監督/リドリー・スコット
出演/マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作
ケイト・キャプショー、 若山富三郎、内田裕也、安岡力也、神山繁
小野みゆき、島木譲二、ガッツ石松、ジョン・スペンサー

現地NY市警がニューヨークのレストランで捕まえた日本人犯罪者を
本国へ護送中に取り逃がしてしまう。慣れない日本の大阪という土地
で、地元警察官の対応に戸惑いつつも、日本とアメリカを代表する
俳優がタッグを組んで犯人を追いつめる。

好感が持てるのは、日本の俳優が日本の映画そのままにこの映画の中
でも演技をしている事だ。勿論言語の関係で英語を使っているのは仕方
がないにしても、それらも必要最低限。変に気張りすぎるような演技
もなければ、逆に恐縮するような演技もない(´ω`=)

過去にアメリカとロシアの警察の組合せで撮られた映画では、資本主義
と社会主義の価値観の対立する構図の中での文化差と人物造形の温度差
を強調するバディ・ムービーだった。

アメリカと中国の警察の組合せで撮られる映画は、アクションとトーク、
展開のスピードと機転の早さが混在する映画が多い。

日本がアメリカの映画の中で強調すべき要素は何なのか...
この映画ではその答えの一つを標しているものだと思う。

"寡黙さ"と"誠実さ"、"義理人情"。

NYの刑事を演じるマイケル・ダグラスの描写は限りなくワイルドで
乾いた感じがするのだが、高倉健は更にその上をいくハードボイルドさ
を醸し出している。

映画の舞台となる無国籍な近未来都市が映し出す世界観は、異国から
来たダクラスらの不安感や焦燥感を象徴し、高倉健が不器用ながら
暖かみのある演技でサポートする。

ストーリーは凡庸の域を越えることはないが、わき役も含めて全てが
が良かった(o゚▽゚)o

因みにこの映画、公開された1989年、日本では外国語映画興行収入
5位を記録した。

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