ボーイズ・オン・ザ・サイド(1995年)
Boys on the Side

監督/ハーバート・ロス
出演/ウーピー・ゴールドバーグ、メアリー・ルイーズ・パーカー
ドリュー・バリモア、マシュー・マクノウジー、アニタ・ジレット
ジェームズ・レマー、エステル・パーソンズ

三者三様の悩みを持つ女性が現状を打開するために、安住の地を目指
して旅に出るロードムービー。

素性も分からず、即興の様に出会った人が行動を共にする。
互いの性格を図るものといえば、この映画に共通している過去の男性
遍歴から来る相性の問題と価値観の相違だ。

女性の本音と言うよりは、HIV患者、同性愛者、人種差別、殺人と
いった偏見で捉えられがちな非日常的な要素に対する人間としての
本音を織り交ぜて、女性らしく上品に下品を演じている。

基本的に女性の友情を謳うものだが、行く先々で出会う男性をもう
少し"男性本位"の視点で、汚く見えるように描くべきだった。
バリモアが演じる薬中毒の男以外は、どれも性別に関係なく良い人で、
対比させるべき"性"の要素が、イマイチ演出的に効果を発揮していない。
男性を除外した女性ばかりの結束力を発揮してこそ、映画のタイトルが
栄えるはずである。

冒頭から息苦しそうに過ごすHIV患者が亡くなることで、三人の中の
一人が欠落する寂しさよりも、息子や夫が旅立ち、娘さえも失う母親
との絆やエピソードの方にドラマとしての分が有り、三人の関係性
の余韻以上に、母親の居たたまれ無さが残る(´▽`;

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