クライアント・リスト 映画版
The Client List

監督/Eric Laneuville
脚本/Suzanne Martin
プロデューサー/Ted Bauman、Lynne Bespflug
制作総指揮/Ed Decter、Jennifer Love Hewitt、Michael Jaffe
John J. Strauss、Dannielle Thomas
制作総指揮・プロデューサー/Howard Braunstein
共同プロデューサー/A.J. Rinella
音楽/Richard Marvin




 

--------------------------------------------------------
テキサス州・ビックスビーヒル
サマンサレックスは3人の子、チャーリー、ブラディ、ジェン
ナに恵まれるごく普通の主婦。しかしサマンサは過去、99年には
Missビックスビーに選ばれた経歴があり、レックスは大学時代
には将来有望なアメフトのスター選手だったが、今では膝を
痛めてその夢も断念。更には働いていた建設業からも治療の為
に働けず失業状態だった。
サマンサの母・キャシーがやってくると、子供たちの様子を見て
いてもらう。今日は銀行から物件の差し押さえの通知が来た
為に、ローン返済の延期の交渉をする必要があったのである。
銀行に断られたら後がないというレックス。サマンサは貧乏は
罪ではないが女性の武器は使えるとして、目一杯の服装と、
カボチャの香りのする香水を付けていざ銀行へと向かう。
二人は今の不況のご時世、ウチだけが苦しんでいるのではない
と告げ互いに励まし合う。

そんな中、銀行に向かう途中歩いているとキャロルジム
現れる。彼女の自慢話なんて聞きたくないというサマンサだが
仕方なく応対する。キャロルはこの前逢ったときと同じ服を
しているじゃないのと言われ、明日からハワイに行きニューヨ
ークで買い物してくると嫌みを言われる。

サマンサたちがローンを組んだBixby Hills BANKへ行くと、
担保の件で話し合う。銀行マン・ゲイリーは、これは手紙ではな
く通告で有り、期日通りに払わねば担保として差し押さえされること
だと言われる。金利が高騰していて払えないことを告げるが、
変動金利だから仕方がないのだという。私は理学療法士の
仕事を失い、夫も怪我して仕事を辞めて手術代の支払いで
必死だとするが滞納は認められないのだという。
サマンサは胸元を強調する格好で、食費にも困っている状態
なので猶予が欲しいと訴えるが、15日までにローンの支払い
が無いと差し押さえると言われる。サマンサはそんな銀行マン
に対して、貴方にとっては他人事よねと告げ、貴方は私たち
に融資する際、ARMローンを勧めたこと。金利の調整前だから
いつでも借り換えは可能で、承認が容易になり損益の計算書
を用意しろと言ったでしょと告げ、金を貸すときには都合の良い
ことばかりを言っていたことを非難する。ゲイリーは何のことだか

分からないとするが、サマンサは記憶力が凄くて、借り入れ
当時彼が担当しどんな服を着ていたのかを語ると、とりあえず
一ヶ月間も猶予すると言われる。しかし現実的に一ヶ月
伸びただけで返済のめどはまるで立たなかった。

サマンサは親友である弁護士のローラと、夫婦でバーを経営
しているディーに相談する。夫は怪我で建設業者から雇って
もらえない事を告げ、男性としてのプライドがボロボロに
なっている事を告げる。まさか学生時代、自分がこんな
事になるなんて想像もしていなかったという。学生の頃の
レックスは有望アメフトのスターだったし、ミスコンで優勝
したのでセレブカップルになるハズだったのだという。それ
が妊娠して結婚した途端に運が落ちたのだった。
サマンサは新聞の求人広告欄を見ると、"セラピストの有資格
者"と書かれたマッサージ店の広告がある事を知って電話して
見ようかとつぶやく。ローラは私だって弁護士になるとは
思っていなかった事を告げ、母親からは結婚は無理だと言われ
ている事を告げる。

広告の"優しいタッチのヘルススパ"は、サマンサたちが住む
ビッグスビーから一時間以上も離れたラリーナの街に有った。
店に到着し、経営者に面接に来た事を告げると、ジェイシー
ドリーンという二人の共同経営者が応対に出てくる。
美人コンテストで優勝したこともあることをサマンサはアピー
ルしつつ、現在子供が3人も居る中で金に困っているので
何でもする事を告げると、経営者の二人はサマンサのスタイル
や顔を見て明日からでも働けるという。サマンサはようやく
仕事が出来たとして安堵するが・・・

帰宅すると息子はフットボールがしたいと言い出す。
しかしお金がかかるので駄目だといいきかせる。
夫は大好きだったバイクを売りに出していた。

翌日サマンサは出勤すると、従業員にサマンサのことを紹介
される。
ジェイシーは15年前から経営しているという。元々小説家を
目指していたこと。ドリーンは元ダンサーでクルーズ船やディ
ナーシアターで踊っていたという。二人で組んで10年目だと。
タニアはここに来て6年目で元々はタトゥーアーティスト。
エマは未成年だったが芸能界入りを目指して家出し、2ヶ月
目だという。どんな仕事か見てもらった方が良いとして、
マジックミラー越しにエマがマッサージと称して、性的サービス
をしているのを目にしたサマンサは思わず飛び出してしまう。
--------------------------------------------------------

連ドラ版の前にテレビ映画として放映された方の「クライアン
ト・リスト」を鑑賞してみた。
クライアント・リストとはそのまんま、顧客のリストの事。

主人公はテキサスの田舎暮らし。
夫は元アメフトで将来有望株の男性で、妻・サマンサは
ミスコンで優勝する程の美貌を持つが、夫の膝の怪我によって、
アメフトでの夢が絶たれ、仕事を失い、住宅ローンの支払い
が滞り、3人の子供を養うことさえままならなくなる状況の
中、性的マッサージ店で働くかどうかに迫られ、家族の為
という名目で働き始める。しかし目的が達成され、家族を襲う
障害が取り除かれた後には、今度は自らのエゴと欲望によって
蝕まれてしまうというもの。

人間の弱さというものを描いている作品で、学生時代の華やかさ
とのギャップと、思い描いていた夢から外れていく現状に
嘆き、そして押しつぶされていく状況の中、プライドとは
ほど遠いところに有る性風俗店での勤務を通して、改めて
一人の女性として人間としての家庭や生活の内で埋もれている
自分自身の価値というものに目覚めていくというもの。

映画版では描写があっさりとし過ぎているが、サマンサには
幾つかの特技・才能があるというところが忘れてはならない部分
であり、その辺の描写を連ドラ版では見せて欲しいところ。
生まれながらにして備え持つ容姿端麗さは言うまでもないが、
彼女の強みは美貌ではなく、寧ろ処世術であり、そして記憶力
がずば抜けているというところである。

ドラマの中で母親自身が語っているが、彼女を育てていく
上で彼女自身に備え持つ能力が美貌にだけあるのではない
ということを伝えてこなかった事に対して歪んだ欲望ばかり
が突出してしまうというところが有った。

実際に有ったことを題材にしている作品だということだが、
セックススキャンダルを題材にしたドラマは今までも有った
と思うし、少し角度を変えれば、決して流出してはいけない
政府の機密書類や顧客リストを巡って骨肉の争いが発生すると
いうネタは繰り返し作品化されているようにも思う。

小さなコミュニティ内で起きている問題が全国的な問題
として波及していく辺りの面白さというのは有るかと思うが
リストを流出される分だけ、主人公にもリスク性が高いという
ところにも言及されていないところがこのドラマの弱さでも
有る。
また性風俗に勤務しているという事実が、周り近所の人たち
に知られたくないということを考えれば、そのネタを使って
サマンサ自身も生活上リスクが存在していくというところ
は有る筈なのに、その辺のハラハラ感がまるで描かれていない
ところはちょっぴり不自然ではある。

レックスが怪我をして家で腐っていた時にはそんなリスクも
多少は軽減されると思うが、行動範囲を持つようになったり
妻の金回りが良くなったという時点でも、当然そのカラクリ
におかしいと気がつくべきハズが、まるで関心のない
ようにして、一切に言及しない所も、彼女の中で、必要と
されている・いないという感覚を刺激している部分なのかな
とも思うね。

ヘルスで働く際に名前としてアジア人には"サケ"という名前が
好まれるとしていたけどそれは絶対に無いな(笑)

ドラマ版ではキャロルみたいなキャラクターとの間の因縁の
関係を膨らませていくのだろうね。

サマンサ・ホートン (Jennifer Love Hewitt) 3人の子持ち主婦
レックス・ホートン (Teddy Sears) 夫、元アメフト、膝の怪我
ディ (Sonja Bennett) Phil& Dee's Hideawayのバーテン、フィルの妻
ジェシー (Lynda Boyd)
ドリーン (Chelah Horsdal) ヘルス・スパの経営者
タニア (Heather Doerksen) タトゥーアーティスト、スパ従業員
エマ・ホリングス (Kacey Rohl) クリスチャン、スパ従業員
ローラ (Kandyse McClure) 弁護士、サマンサの友人
キャシー・デイル (Cybill Shepherd) サマンサの母
フィル (Andy Nez)
ジム・リード (Carmon McDonald) キャロルの夫
キャロル・リード (Haviland Stillwell) サマンサを敵視する
チャーリー・ホートン (Olivia Steele-Falconer) 長女、歯科矯正
ブラディ・ホートン (Valin Shinyei) 息子
--- (John Innes) Minister
J.J.オギルビー (Linden Banks) 判事
ジェンナ・ホートン (Brohm Chevalier) 次女、サマンサと同じ誕生日
ジェンナ・ホートン (Brookmere Chevalier) 次女
トリーシャ・ワン (Sophie Lui) レポーター
ロジャー (Mark Brandon) Anchorman
カール (Garry Chalk)
アーサー (Chris Kalhoon) 客
サラ (Alberta Mayne)
ジェイミー (Steve Garry) ドリーンと共同経営
--- (Barry Haggis) Customer
--- (Gwenda Lorenzetti) Woman
トレバー (Kevin James)
--- (Paul Herbert) Cop
--- (Walcott E. Morgan) Cop
--- (Dan Willmott) Drunk Guy at Bar
--- (Maria Marlow) Woman in Restaurant
--- (Glynis Davies) Woman in Line
--- (Terri Anne Taylor) Woman in Line
--- (Chris Nowland) Man in Line
--- (Dolores Drake) Bank Woman
--- (Annabel Kershaw) Salon Woman
--- (Catherine Barr) Salon Woman
--- (Mark Acheson) News Vendor
--- (Kelly-Ruth Mercier) News Stand Lady
--- (Donna Lysell) News Stand Lady
--- (Forbes Angus) Bar Patron
ゲイリー (David Beairsto) 銀行マン
--- (Darren Daurie) Cookie Tin Man
--- (Iris Paluly) Wronged Wife
--- (Susan Coodin) Church Lady
--- (Luisa Jojic) Church Lady
--- (Gary Ellison) Actuary Client
--- (Terry Steven) Scarf Client
--- (Juan Llorens) Necklace Client
--- (Mark Oliver) Watch Client
--- (Robert Clark) Boxer Shorts Man
--- (Marny Eng) Sam Stunt Double
ドン (Matt Battaglia)
--- (Nicholas James)
--- (Onrico Nightingale) Beaumont Police Officer (2013)
--- (Tommy O'Reilly) Handsome Client
ミュエラー (Lina Patel) 医師
ソフィア (Reila Aphrodite)


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system