誰にでも秘密がある

監督/チャン・ヒョンス 脚本/キム・ヨンチャン
出演/イ・ビョンホン、チェ・ジウ、チュ・サンミ、キム・ヒジョン

イギリス映画「About Adam」のリメイク作品。

三姉妹(長女・チュ・サンミ、次女・チェ・ジウ、三女・キム・
ヒジョン)が同じ男性・イ・ビョンホンに恋をする。

この映画の面白い所は時間の流れに対し、通常は一つの物語が
進行していく訳だが、ここでは同時に多面的なステレオタイプの
物語が進行しており、次々と物語が入れ替わって行くうちに、
ドラマに隠されている全ての物語が繋がり、パズルのピースを
埋めていくかのように完成系へと近づいていく。
一人一人の主人公に時間的概念を埋め込み、それがまるで独立した
時間の流れのようにも思えるのだが、実際には一つの時間の流れ
を視点を変えて描いているだけなのだ。
その独立したそれぞれの物語が、ドラマの中で絡み合っていく内に
協奏曲を奏でるかのような構成のすばらしさがみえてくる。

ぶっちゃけて言えば一つ一つの物語は大した事がない。
しかし薄っぺらい一面的な物語から多面的な話の構造体へと変わる
内に物語が一気に重厚な話に変わる寸法だ。

イ・ビョンホンはこの世にたった一人の存在だが、三人の女性を
同時に愛する三つの顔を持っている。なんとも羨ましい限りだが、
物語はイ・ビョンホンに多くの物を求めない女性のために、やや
彼の存在が都合良く見えなくもない。
残念なのはイ・ビョンホンというキャラクターが強すぎて、
オチに使われる男性陣と三姉妹の恋の物語は、あまりに無味乾燥
過ぎて、やや説得力に欠ける事か。

三姉妹の中ではやっぱりチェ・ジウのキャラクターが良かった。
時々あり得ない程幼い感じの仕草と号泣ぶりを発揮していたが、
メガネ姿はやっぱり萌えるΣ(´□`;)
濡れた髪で佇む姿も良かった。

バーでのイ・ビョンホンと三女の告白シーンが映画の中で3度も
使われた訳だが、お互いの性格が表情の中によく表れている
シーンで面白かった。

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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