DOLLS (2002年)

監督/北野武
出演/菅野美穂、西島秀俊、三橋達也、松原智恵子、深田恭子、武重勉
岸本加世子、大杉漣

恋愛まっただ中の彼女を裏切り、両親に勧められて社長令嬢と結婚を決意
する男性。それを知った元彼女は精神的に病んで、ついには....。

出会いの季節から別れの季節へ。
四季の変化と共に移り変わる恋愛状況の"温度"の変化。

昔から親に交際を反対されて駆け落ちした男女は、貧窮に喘ぐ最中に現実
から逃避するために北国を目指す。

思いを馳せた相手に対して一生その身を捧げ、その恋が叶わないならば、
自害する事も...

映画はそんなプロットからして、今では考えられない程の不器用なまでの
男女の恋愛の表現・形を見せつけてくれる。
あらゆる事が"大量生産・大量消費"時代の現代。このような一つの形に
固執し貫く姿勢は、逆に斬新だ。
今の世の中、"ストーカー"という表現に代表されるように、世間的にも
このような形はあまり望まれていないのかもしれない。

言葉少なげな演出も映像美に象徴されるこの映画を前にして、改めて
不要な要素であると感じる。

この映画を見る前、線で結ばれる"つながり乞食"や着物を着ている主人公
を見て、"日本を分かっていない外国人が撮影する日本的な映画"の印象が
強かったのだけど、それは全くの逆だった。

"文楽人形が考えた話し"に見せる為、映画はソフトランディング的に
最後には主人公に着物を着せてあらゆる衝撃からその身を守っている。

非常に良くできた傑作映画。

アキ・カウリスマキ監督の映画にカティ・オウティネン有りと言われる
くらい、タケシ映画に岸本加世子は無くてはならない存在となっている。
今回はちょい役で出演。


http://www.mainichi.co.jp/life/cinema/kiji/0210/12-01.html
http://www.mainichi.co.jp/life/cinema/kiji/0210/15-01.html

▲「DOLLS」公式HP
http://www.office-kitano.co.jp/dolls/

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