イン&アウト (1997年) In & Out

監督/フランク・オズ
出演/ケビン・クライン、マット・ディロン、ジョーン・キューザック
トム・セレック

演劇教師の卒業生が、アカデミー賞で主演男優賞を受賞する。
その受賞スピーチの中で、恩師の事をゲイ呼ばわりして、町全体を騒然
とさせる映画。

この映画、流れによって暖流と寒流に分かれる。
主人公が恰も巻き込まれた被害者としての描写をコメディという枠に
捉える内は非常に楽しい映画なのだが、映画としての主張が顔を覗かせ
始めたとき、途端に興味を失う。

各々の場面でその理由を求めたくなるのだが、意外性ばかりを追求する
あまり、その都度答えが用意されていない。まるで肩すかしを食らった
ようだ。

素直に笑って良いものなのか悪いものなのか、視聴者に心配をかける
気難しい一面と、思い切りの良さとは逆に、他人への配慮を欠く発言の
数々は、やや映画に暗い影を落としている。

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