日本・韓国映画 「純愛譜」
(2000年) Asako in Ruby Shoes 監督/イ・ジェヨン 出演/イ・ジョンジェ(役所勤務)、橘実里(自殺願望女性) キム・ミニ(赤毛の女性)、大杉漣(父)、余貴美子(母) イ・ヨンジン(レズ) |
生きる目的を見失い、生気を失ったように日常を暮らす日本と
韓国の若者がインターネットを通じて出会うまでを描いた作品。
またしても男性は韓国、女性は日本という構図の映画か。
変態染みた行為、恋する相手がレズだったという衝撃的な
内容も含まれるが、虚無感に満ちた日常の描写は、これを含めて
興味深く描かれている。
ただそんな非日常的な描写から始まったドラマを、恋愛として
旋回して行くには、少々無理があったようだ。
イ・ジョンジェ側には橘実里を好きになる理由が存在しても、
その逆は説得力を帯びる描写が為されて居らず、コミュニ
ケーションも殆ど無いままに恋愛感情を芽生えようとしている。
イ・ジョンジェが愛する女性は赤毛の女性ならば見境無しなのか
といわんばかりの、見た目の好みだけで恋愛を発展させ、日々の
空虚さからの脱却を図ろうとしている。
複雑な生活環境の中で、純白であり解放感に満ちあふれた雄大な土地
であるアラスカを求めるというのもやや安易な発想か。
大杉漣や余貴美子というキャラクターを持て余している辺り、
実に勿体ない。
しかしその反面、橘実里はとても魅力的に映った。
純愛と称する韓国の映画だと思って喜んで飛びつくと、女性が見る
にはちょっと引くような内容も含まれているかもしれない。
そういえば、「オールイン
運命の愛」でサンドゥ親分を演じていた
キ・ジュボンが出演していた。
評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)