ジャスティス (1979年)
...And Justice For All

監督/ノーマン・ジュイソン
出演/アル・パチーノ、ジャック・ウォーデン、ジョン・フォーサイス
リー・ストラスバーグ、クリスティーン・ラーチ

脚本を担当しているのが、オスカーを受賞しているバリー・レビンソン。
TVのコメディやバラエティ番組で脚本や演出を担当して、エミー賞を
3度も受賞している過去がある才能溢れる監督/脚本家。

この映画の中では司法制度の悪い側面を描くだけではなく、働く者の
苦悩を描くと言った脚本のバランスがとても良かった。

司法制度の在り方と正義を振り翳すはずの法曹に携わる人間の強欲さとが
上手く重なり、悪役はとことん醜悪に映る。
長いものに巻かれがちな社会の中で、自分の存在感を凛として現す主人公
に魅力を感じ、主人公に降りかかる不幸の連続と、そんな不幸の連鎖を
振り払うかのようなアル・パチーノの熱弁が、"ちゃぶ台"を返すほどの
インパクトと爽快感を与えて、映画を締め括る。

一つ角度を間違えれば、そんな彼の熱弁も狂言として捉えられかねず、
策略によっては、彼自身の進退に重大な影響を及ぼすところを、傍聴人
の歓声によって市民を味方に付け、そんな疑念を払拭しているようにも
思う。

傑作の映画。

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