ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
THE LORD OF THE RINGS: THE RETURN OF THE KING

監督/ピーター・ジャクソン
脚本/ピーター・ジャクソン、フラン・ウォルシュ
フィリッパ・ボウエン

いやいや上手い作りですね。
2003年度アカデミー賞11部門受賞 (作品賞、監督賞、脚色賞
作曲賞、歌曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ賞
特殊効果賞、音響賞、編集賞) も納得の出来。
"大作"らしく俳優達には何の受賞も引っかからなかったけれど、
どの人の演技にも魂がこもっていて素敵な役だった。

見たもの全てを魅了してしまう指輪の魔力と葛藤しながら
その力を解放するまでの行程を描いた物語で、前2作に負けない
程、最終章は面白かった。

とにかく何が良かったって、ゲームの中ではあまりに存在感が
無く、誰もこのキャラクターを使いたがらない
小人族のホビットを魅力有るキャラクターとして描き、体格に
似合わない程の偉業を成し遂げる物語という所かな。

これだけ多くの主人公クラスの登場人物が居るにもかかわらず
どのキャラクターの特徴も活かしきった作りが良かった。
その中でも同じ種族であるホビットが4人も仲間内にいる事により、
メリハリの付かない物語になりそうな所も、見事フォローし
それぞれに対して役割を与える作りは見事だった。

その分ぞんざいに扱われたキャラクターが有ることも否めない。
例えばローハン国とゴンドール国の歴史的な対立関係だ。
セオデン王とデネソール王の間に有る関係の葛藤は、人間対
冥王サウロンの対立に押されて、やや気持ちの描写はおざなりな
感じがした。
またアルウィンとエオウィンの狭間に立たされたアルゴルンの
描写もやや呆気なかった。

死者の軍が加勢するまでの行程やオークに浚われたフロドを
サム一人で助けるシーンなど、随分展開が端折られている気も
するが、その辺はTVで見た関係だからかな。

しかし死者の軍が加勢して城を開放していく描写は、不気味な
はずの死者たちの光がまるで後光のように城を取り巻いて
いく感じは良かった。

またアラゴランが最後の戦闘を前にして、軍勢に怯える兵士達に
鼓舞するためにちょっと詩的に語る所が良かったな。
この映画に出てくる国王もそうなんだけど、やっぱり上に立つ者と
しての風格だったりボキャブラリが豊富にあったりする感じが
良いんだよなぁ。

ちょっと不自然に思えたのは、エオウィン姫が強すぎることか。
女性の力を必要としていたとはいえ、あの動きはただ者ではない。
というかこの女性、ドラコンスレイヤーの称号を得るくらい強い(+_+
何の後方支援も無くドラゴンの首を両断してしまった。

CGも大半を占めているはずなのに、演技の邪魔をしておらず、
敵のキャラクターの沢山出てきたのでとても満足です。
ゴラムも相変わらず可愛い奴だったΣ(´□`;)

評価:★★★★☆

イライジャ・ウッド (フロド・バギンズ) ホビット
イアン・マッケラン (ガンダルフ) 魔法使い
ヴィゴ・モーテンセン (アラゴルン) 人間
ショーン・アスティン (サム) ホビット
リヴ・タイラー (アルウェン) エルフ
ビリー・ボイド (ピピン) ホビット
ドミニク・モナハン (メリー) ホビット
オーランド・ブルーム (レゴラス) エルフ
ジョン・リス=デイヴィス (ギムリ) ドワーフ
ケイト・ブランシェット (ガラドリエル)
バーナード・ヒル (セオデン) ローハン国王
ミランダ・オットー (エオウィン) セオデンの娘
カール・アーバン (エオメル) セオデンの息子
デヴィッド・ウェンハム (ファラミア) ボロミアの弟。セオデンの次男
ジョン・ノーブル (デネソール) ゴンドール国王
ヒューゴ・ウィーヴィング (エルロンド) エルフ。アルウィンの父
イアン・ホルム (ビルボ・バギンズ) フロドの祖父
ショーン・ビーン (ボロミア) デネソールの長男
アンディ・サーキス 

inserted by FC2 system