ローサのぬくもり (1999年)
SOLAS

監督・脚本/ベニト・サンブラノ

久しぶりに見たスペインの映画。
単純な映像とエピソードの中にも複雑な思いが込められた作品。

タイトルに有るローサとは母親の事。
そんな母親が見せる娘に対する母性的な愛情から病気の夫に対する献身
的な愛情、そして都会の片隅で独り佇む老人への愛情まで、彼女に接する
有りとあらゆる人物を女性として母親として人間として、その包容力を
遺憾なく発揮する。

プライバシーを遵守する余り、人との繋がりが絶たれた都会の一角で
年齢を問わず、暖かい出会いが有る。それはまるで都会の砂漠の中で
喉の渇きを一杯の水によって潤す感動・出会いのようだ。

映画の凄さは有る意味人間として普通の生き方をしているだけで、
その人物がまるで聖母にでもなったかのように見える事。
それだけ荒んだ世界観を冒頭からの映像の中で表現してしまった事だ。

冒頭でははげ落ちて何もないアパートの一室が、順を追っていく毎に、
生を吹き込まれたかのように生き返っていく様が面白いです。
それはまるで人生の岐路に立たされ暗中模索していた女性が、人との
繋がりの中で光明を見出して行くかのよう。

人のぬくもりの暖かさを上手く表現した映画でした( ´△`)

一つ映画の中で心配なのは、老人の寿命くらいかな(;・∀・)


アナ・フェルナンデス.....主人公の女性35歳独身。
マリア・ガリアナ.........ローサ役の母親。夫から暴力
カルロス・アルバレス=ノボア....隣人の老人
アントニオ・ペレス=デシェント..医者
パコ・デ・オスカ.........病気の父親
ファン・フェルナンデス...主人公を妊娠させる男性。
ミゲル・アルチバル.......バーのマスター。主人公に気がある。

評価:★★★★☆

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