TUBE/チューブ (2003年)

監督・脚本/ペク・ウナク

「暴走特急」のスティーブン・セガールだったり、「スピード」の
キアヌ・リーブスだったり、「エアフォース・ワン」のハリソン・
フォードだったり、「ダイハード」のブルース・ウィリスだったり。
良い意味で韓国はハリウッド映画をよく研究して居るなぁと思う
作品だった。

韓国では公開前に起きた地下鉄火災事故などの影響で話題性こそ
有ったものの、観客動員数は伸びず、全国で約46万人。ヒット映画
の条件は最低100万人と言われるようになった韓国映画の中では、
少々物足りない数字で有る感じは否めない。

映画は一言でアクションは凄いし、カメラワークも実に巧妙で
ハリウッド映画と遜色ないほどに見栄えの良い映画だと思う。
ただ細かいところが目に付き、粗雑なのか丁寧に作ってあるのか
よく分からない点も多かった。

突っ込み処が多い映画でも有るが、特に酷いのが列車のスピード
感は多分に存在するのに、そこで繰り広げられる人間の行動が
あり得ない動作の数々である事。特に走行中の列車から銃で撃た
れて落下したにもかかわらず、主人公はケロっとしている。
あり得ないスピードで走行している列車に2度も無理矢理飛びつく。
目的地まであと12kmだと言っているにもかかわらず、時間の流れが
悠長すぎて時間の切迫感が全く無視されているなど違和感が多い。

またシナリオの流れがテンポの早さに任せて、何をしているのか
よく分からない点も多かった。

ラストはハリウッド映画とは全く正反対の結末を用意してあり、
その辺は韓国らしさを残している点かな。

キャストは韓国ドラマを見ている人ならば知っている顔が多い
と思う。警察署長は「オールイン」のヤクザの親分・キ・ジュボン
だし、主人公の上司は、「チャングムの誓い」のトック叔父さん。
乗客には、「屋根部屋の猫」でチョン・ダビンの弟役ポン・テギュ。
スリ役の男性もどこかで見たことのある顔だ。

こういうエンターテイメント性溢れる映画って日本でもなかなか
撮影される事がないので、こんな映画が撮られる韓国が羨ましいな。
日本の映画も芸術性とか日本らしさという言葉にばかり逃げて
居らずに、是非映画の醍醐味であるエンターテイメント性の追求を
行って欲しいです。

ペ・ドゥナ (女スリ師)
パク・サンミン (テロリスト)
キム・ソックン (恋人を殺された刑事)

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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