海猿 (2004年) The Sea Monkey 監督／羽住英一郎 脚本／福田靖 【映画"海猿"】【連ドラ版"海猿"】【映画"LIMIT OF LOVE 海猿"】【映画"THE LAST MESSAGE 海猿"】

海上保安官の潜水士の成長物語。

鬼教官の元で指導を受ける潜水士の卵たち。
教官の問いかけに対して、初めは答えられない訓練士たちも次第に
自分たちの答えを見つけていく。

教官の問いかけは、なにも訓練士たちへの問いかけばかりではなく
自らに自問しているところに映画としてのミソが詰まっている。
そのような事情が冒頭の意味ありげな映像の中から複線として始ま
っており、次第に証されていくウチに教官の過去に迫る仕組みと
なっている。

教官自身の過去への決別と同時に、訓練生たちの成長がそんな教官
の教えを越えて巣立っていく姿を克明に演出した。

残念なのは青春の群像劇と言う面では苦しさを共有する中での
楽しさは有る程度演出されているものの、主人公以外の個性のアピ
ールが足りず、活躍の機会が無い事。
これは教官自身のキャラクターにも言えることかも知れない。

また教官を軸にした訓練生との縦への繋がりが訓練の中で必要最低限
にしか描かれて居ない為に、ラストに向けた教官を助けるエピソード
も、一体感を演出するにはやや不足する面が有った。


評価：★★★☆☆