バルカン超特急 (1938年)
The Lady Vanishes

監督/アルフレッド・ヒッチコック
脚本/シドニー・ギリアット

目をつぶって休んでいる時に、共に列車に同乗した婦人が居なくなる。
自分が見たのは幻か否か。真相を確かめるために列車中を駆け巡り
目撃者を探すのだが、不自然なことに誰一人目撃者が居ないΣ(゚□゚)

日常の生活の中から次第に自分が巨大な陰謀へと巻き込まれていく。
まさにヒッチコックが得意とする映画だ。

冒頭から全景(ミニチュアだが)をカメラの引きのショットからズームイン
してワンカットショットで状況説明してしまう凄さ。
各場面視聴者の視線を全て計算に入れ、一筋縄ではいかない展開を
用意しているなど、随所に於いて圧倒される作品(σ゜∀゜)σ

前半の老婦人探しでは視聴者も主人公の女性と一体となって不思議な
事件に困惑する。これは映画の脚本家によるトリック・幻想的な演出か
否か。
状況証拠を少しずつ集め、幻想が現実へと確信に近づくときの推理小説
を読むような感覚は、まさに引き込まれる事間違いない。
老婦人の安否の所在を見守るときには、冒頭でのホテル内での演出が
活きてくる。そう、列車内には殺人犯も乗り合わせているのである。

多国籍の乗客が乗り合わせる密室の列車内という状況が、異国を彷徨い
歩いているような感覚に陥れてそんな恐怖を助長しているのだ。

前半部に比べて後半部の真相究明では、やや直接的で現実的な映像を
見せられて、頭の切り替えが必要ではあるが、最後まで息を付かせぬ
展開を用意しているなど、ヒッチコック初期の映画の中では最高ランク
に値する映画であった( ´△`)

評価:★★★★☆ (ベタ褒めしつつ満点は出さない(;゜∀゜))


マーガレット・ロックウッド....主人公の女性。結婚前に友人の元へ旅行
マイケル・レッドグレーヴ......音楽家。マーガレットと共に捜査
ポール・ルーカス..............医師。途中で患者を乗せる。
グーギー・ウィザース..........
リンデン・トラヴァース........不倫旅行中の女性。
メイ・ウィッティ..............音楽教師。謎の失踪
セシル・パーカー..............不倫旅行中の男性。
Naunton Wayne.................クリケットの男性
Basil Radford.................クリケットの男性
エミール・ボレオ..............ホテルの支配人
Josephine Wilson..............音楽教師の席に座る女性
Kathleen Tremaine.............ホテルのメイド

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