バック・トゥ・ザ・フューチャー Back to the Future |
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巨大なアンプ/スピーカーを前にしてギターを弾くマーティ・マクフライ。しかしあまりの轟音・振動に吹き
飛んでしまった。そこにドク(エメット・ブラウン博士)から電話がかかってくる。電話口の彼は、とても興奮
しており今夜1時半に実験の為の助手が必要だとしてアーケードに来て欲しい事を告げた。AM8:00の
ベル・・・しかし25分遅れている時計は、確実にマーティが学校に遅刻することを意味していた。
4日連続の遅刻。恋人のジェニファーは入り口の所でマーティを待っていた。”はげたか”先生が、遅刻キップ
を手渡すために待っているを忠告しに来たのだが、隠れていた先生に見つかり、お叱りを受けることに。
放課後、今度行われるダンスパーティのバンドのオーディションが行われた。ギターを趣味とするマーティは
それに応募していたのだが、審査の先生からは、ただ大きい音を出しているだけだとして不合格を言い渡さ
れる。落ち込むマーティを励ますジェニファー。明日の夜には2人きりでキャンプに行くことになっていた。
もちろんお堅い両親には男友達と共に行くことを話していたのである。父親のジョージから四輪駆動の車を
借りていく事に胸を弾ませるマーティ。
帰宅中、ヒル・バレーの市街地では次ぎに行われる選挙戦の宣伝が行われていた。最も有力と見られる
ゴールディ・ウィルソン。しかし彼は街の象徴であり歴史的にも価値のある時計台を破壊しようと考えていた
のであった。その時計台を守る/修復するための募金にお金を入れるマーティ。ジェニファーは今晩は、
お祖母さんの家に行くからと、マーティにその家の電話番号を手渡して別れるのだった。
自宅のあるリヨン団地へ。家に帰ると衝突した車の撤去作業の為にレッカー車が来ていた。不思議に思って
家に入ると、父親のジョージが同級生であり上司のビフに何やら怒鳴られていた。ジョージが貸した車を
ビフが壊したのである。しかしその責任をビフはジョージに擦り付けるのだった。何も言い返せないジョージ。
彼は学生の時から争い事を苦手としていたのであった。
夕食の席で姉からジェニファーから電話があった事を聞くマーティ。しかしその会話を聞いていた母親の
ロレインは、そんなジェニファーの行動を非難した。男の家に恥じらいもなく電話してくる女性は感心しないと
いう。そしてロレインは、そんな説教の後は必ず決まって子供たちの前で自分と夫ジョージが出会ったときの
事を話すのだった。出会ったときのきっかけ・・それは、ロレインのお祖父さんがジョージを車で轢いたから
であるという。そして”魅惑の深海パーティ”では初めてのキスをしたというのであった。
マーティは自室のベットでウトウトしているとドクから電話がかかる。来る途中に自宅にあるビデオカメラを
持ってきて欲しいという事であった。
時間になるとマーティは約束のアーケードへ行く。すると現場でドクは巨大なトレーラー の中から一台の車を出して来た。この車”デロリアン”は世紀の大発明だというと、マー ティにビデオカメラを回すよう話した。1985年10月26日。そんな発明の第一回目の 実験を行うというドク。彼は飼っている犬”アインシュタイン”を車に乗せると、自分の首 からぶら下げているのと同じ時を刻む時計を犬の首にかけた。するとリモコンでその車 を動かすとビデオカメラを向けるマーティの方に車を猛スピードで走らせる。逃げようと するマーティを制止し、カメラを撮り続けさせると、なんとその車は一瞬光を放って目の 前で消えてしまったのである。 |
ドクは、犬を一分後の世界に送ったという。そしてその一分後、犬の乗った車が目の前に現れると、首にか
かっていた時計は、ドクの時計とは一分の開きを生じているのであった。目を丸くして驚いているマーティに
ドクは、車に乗って説明する。エンジンを入れ、タイム回路の電源をONにしタイマーをセットすることで、
タイムトラベルする事が出来るというモノであった。それはどんな時にでも行けるという・・それがキリストが
誕生した日でも、科学の記念すべき1955年11月5日にでも・・・この日、ドクはトイレで足を滑らせ便器に
頭をぶつけると、このタイムトラベルの元になる時限転移装置の概要が閃いたというのだった。
この車の燃料はプルトニウム。一瞬にして1.2ジゴワット電流を得るために使っているという。そのプルト
ニウムは過激派から爆弾を作る変わりに手に入れたというのであるが、ドクはニセモノの爆弾を手渡したの
であった。そんな説明をしていると、その過激派がその事実の報復の為にやってきた。急いで逃げようと
するが、ドクはマーティの目の前で射殺され、それを目撃していたマーティにまで彼らの魔の手が迫ってくる
事に・・・急いで車に乗り込むと、後ろから機関銃を発砲してくる彼らの手から逃げることに・・・スピードを
上げ140Kmを越えると、突然目の前の光景は変わり、どこかの家の納屋に車ごと突入してしまうのだった。
ここは1955年の世界。車を町外れに隠し、ヒル・バレーの市街地に足を運ぶとロナルド・レーガン主演の
”バッファロー平原”が映画館で公開されていた。街の時計台も静かに時を刻み、マーティの住むリヨンの団地
は建設予定地。信じられないマーティであるが確かにここは1955年の世界になっていたのだった。
喫茶店に入るとマーティは、電話帳でドクの電話番号と住所を調べる。そして一服するために飲み物を飲むと
突然後ろからマクフライを呼ぶ声が聞こえた。慌てて振り向くと、目の前に立っていたのは若カリし時のビフ。
更にマーティの隣で飲み物を飲んでいたのは、なんと学生時代の父親ジョージの姿だった。
果たしてマーティはドクを見つけだし、この1955年の世界から1985年現在に帰ってくる事が出来るのか!
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ドクが開発したタイムトラベル装置。それに乗って過去にやってきたマーティは、この世界に居るドクを
頼って、自分の世界である30年後の世界に帰ろうとする。しかし、彼がやってきたことによって、彼が
起こした行動が結果的に将来に影響を及ぼすことに・・・しかもそれは自分の生存に関わる重要な事。
果たしてそんなトラブルを無事解決して自分の世界に帰ることが出来るのか!?
監督ロバート・ゼメキス、製作総指揮スティーブン・スピルバーグの痛快活劇物語。
全米、日本とも公開した年の興行成績NO1作品。
これは面白いです!『ダイハード』(’88原題Die Hard)と肩を並べるほどかつて視聴した映画だと思い
ます。
現実の世界ともう一つ、同じ様で同じではない世界。誰もが自分の居た過去を知りたくて、誰もがこれ
からの世界を見たいという願望を叶えてくれる映画ですね。この手のアイデア(タイムマシンもの)って
マンガならば幾らでも書けると思うのですが映画化するにはとても難しそうな事だと思います。
それは視覚的なものも含めて映画ならではの演出があって、見ているとハラハラドキドキものです。
直面する問題というのがまたオシャレです。。 過去に飛んでいくと、結婚する両親が存在しておりそこではまだ出会う前の世界です。 そしてそこから出逢いそして二人が結ばれるまでのエピソード。子供たちにも視聴者 にも冒頭で、予めその時の話しを母親自ら思い出話として語っているので、まさに 意味深な感じが先の展開を期待させるものとなります。 (右の写真)マーティの恋人役そして母親役をこなすリー・トンプソン(Lea Tompson)) |
現在の何気ない街の喧噪が過去にはどう変わっているのか。映画では数々の些細な事がぶっきら
ぼうに映画の中に配置されているのですが、過去と現在を見るだけで一つの物語が出来上がります。
例えば、現在の世界での選挙戦。大した重要な要素でも無いのにその議員の履歴が過去と現在の
世界を見ることで一つの話が出来上がります。立候補するゴールディ・ウィルソン。大事な時計台を
壊そうとしているただ単に嫌な奴だけかと思いきや、喫茶店での下働き・・・そんな彼にマーティが、
助言すると彼が本気になって市長を目指すというのがまた面白いですよね。
そして時計台のエヒソードこともそうだし、父親ジョージとビフの関係・・・家族自体の事も、2つの世界
を渡るだけで、一つの厚みのある話しが出来上がるのです。
そしてなんと言っても、現在の世界で解決出来ない事でも2つの世界でやり遂げれば上手く解決して
しまいます。
その一つ。一番この映画で好演/良き演出となったのは、やっぱりドクとマーティの関係ですよね。
何故だか年の離れた2人の男が熱い友情で結ばれています。現在の世界ではタイムマシンを作るため
に利用した過激派テロリストにドクが殺されてしまうのですが、それをなんとか阻止させたいという
一つの泣かせるエピソードが有ります。一筋縄では行かない事・・それは、ドクのほうに問題があるの
ですが、必要以上に未来の事を聞きたくないという一つの意固地な面を持っています。なんとか帰る
までに伝えなければ・・・と、常に気にしているマーティなのですが、実質1週間も彼と一緒に居たのに
とうとう伝えられず時間を迎えてしまいます。それだけでなく、最後は様々な困難に見舞われて、そんな
事言う暇も無いほどドタバタしているのですが、それらの一つ一つが解決しなければ、例え帰ることが
出来ても有る意味無意味な結末を迎えてしまうのです。
現実の世界では、あまり冴えを見せないマーティ。しかし彼が過去に行けば、忽ち一世を風靡した様な
伝道師の様な人物像。新しいミュージック・・ロックを伝え、スケボーを伝え・・1955年といえば、
ソ連との冷戦の中の争いの一つ、宇宙探求の過渡の競争の前の時代。その時代を訪れて初めて
対面した民衆の前では、乗ってきたハイテクマシン・デロリアンから出てくる、防護服に身を包んだ姿が
宇宙人そのものに間違えられ、人々に影響を与える不思議な存在として登場するのです。
そんな話のコミカルさとマイケル・J・フォックス(Michael J.Fox)の持つコミカルな一面、登場する
マーティの性格が全てにマッチしていて楽しい映画になりました。
そんなマーティのコミカルさを表すものといえば、シリーズの全てに於いて一つのポイントとも言える
ある言葉の存在があります。目の前にどんな大男が現れようとも、一言バカにされれば、たちまち信じ
られないようなもの凄い力を発揮するのです。”チキン!”(腰抜け)と。昔僕の好きなドラマ、”トミーと
マツ”の国広富幸(漢字が違うような・・)が、”トミー”ではなく”トミ子”と呼ばれると無事事件は解決する
というお約束ものを思い出してしまいますが、こんな一面を見てもこの映画の楽しさが分かります。
他にもクリスピン・グローバー(Crispin Glover)。情けない男が突然マーティにお 膳立てをしてもらいロレインを助ける事になるのだけど、その時の彼の顔がこれ ほどまでに変われるものなのかと言うくらい格好良い表情を見せるのですよね (^^; 実にマニアックな所で、『フットルース』(’84原題Footloose)で最後のダンス パーティでメガネをかけて踊っている男が突然彼女の顔を見るときに、メガネを 外すとその下から格好良い素顔を見せるのを思い出してしまいました(笑) (右の写真ジョージをイジメるビフ(トーマス・F・ウィルソン)率いる軍団) |
この映画でマイケル・J・フォックスは売れることになりましたが、この映画に抜擢された事には、TVで
放送していた『ファミリー・タイズ』(TVシリーズ82年〜原題Family Ties)の存在があります。この映画の
撮影の時には、一日に二本の作品を掛け持ちで撮影にのぞんだというから大変ですよね。そして
当初は、マーティ役をエリック・ストルツ(Eric Stoltz)に想定していたとか。結果的にこの役がマイ
ケル・J・フォックスになって良かったと思います。まさに適役です!
マイケル・J・フォックス (マーティ・マクフライ) 4WDの車、ギター、スケボー好き。 クリストファー・ロイド (エメット・ブラウン博士/ドク) タイムトラベラーを開発した人。 リー・トンプソン (ジェニファー・パーカー/マーティの恋人) マーティの恋人。最後は一緒に連れていかれる。 リー・トンプソン (ロレイン・マクフライ/母親) 自分の息子に恋をする!? トーマス・F・ウィルソン (ビフ/イジメっ子) 天国と地獄を味わう人。肥料に突っ込むのはお約束 クリスピン・グローバー (ジョージ・マクフライ/父親) 地獄と天国を味わう人。 Marc McClure (デイブ・マクフライ/兄) 最後は背広を着て会社へ。 Wendiejo Sperber (リンダ・マクフライ/姉) Donald Fullilove (ゴールディ・ウィルソン/市長候補) 喫茶店で皿洗い。 リー・マッケイン (ステラ・デインズ) ジェーソン・ハーヴェイ (ミルトン/ロレインの父) ハリー・ウォータースJr. (マービン・ベリー/ヴォーカル) パーティーで歌を歌う。 リチャード・L・デュラン (テロリスト) Jeff O’Haco (テロリスト) Maia Brewton (サリー/ロレインの妹) 評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0) |
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