愛の嵐
(1986年・フジテレビ昼ドラ)

原作:「嵐が丘」(エミリー・ブロンテ)
企画:出原弘之
音楽:坂田晃一
脚本:大久保昌一良、白井更生、下飯坂菊馬、清水曙美
演出:山本隆則、松生秀二、福田真治、小野俊和、花堂純次
プロデューサー:松村明、平野一夫、小野俊和


第63話
--------------------------------------------------------
秀子の元に母・静子がやってくる。
静子は娘に、あんたから猛にデパートの前の土地で豚を飼わな
い様頼んで欲しいという。私にどうしろというのか?という秀子
にお前から養豚所の立ち退き料を払うのでそれを告げて欲しい
との事。その際、土地の評価額の200万円に少し色を付けるとい
う。秀子は猛がそんな事をきくはずは無いとすると、大河原家
が破産しても良いのか?という。そんな言い方は卑怯だとし、
私は縁を切られた人間だという。静子は秀子に薄情な子だとし
、本当に親子の縁を切っても良いのか?と告げる。秀子は静子
に、三枝の屋敷を猛の言い値で売れば養豚場からは手を引くはず
だと告げる。

流産したひかるは病院に入院していた。看護婦は男性が花束を
持ってきたとし、リンドウの花を持ってくる。その花を見て
ひかるは猛の自分への愛情が変わらないものを感じる。
それはかつて幼い時の嵐の日に、猛がひかるのためにリンドウ
の花を持ってきた事が有ったのである。(16話のエピソード)

猛の上官だった平野と猛は、キャバレーで銀行の融資担当の
清水と話し合い、猛のためならば幾らでも融資することを約束
を受ける。それを見た秀子は、酒を飲み泥酔した状態で清水の
前にやってくる。清水は大河原家から手を引いた手前、彼女
が居ることに違和感を覚える。

猛は家に戻ると、秀子に大事な場で醜態をさらした事に激怒
する。何であんなに飲んだのか?とすると、自分でも分からない
とし、夕方に母がここにやってきた事を告げる。清水は大河原
家に融資しないとしていたのに、その銀行家と猛が付き合って
いるのを見たからかも知れない事を告げると、猛は秀子に
やっぱりお前は大河原の人間だと語る。猛は秀子に大河原家に
帰れと告げ、別れてやるという。

いよいよ猛は三枝家で勇作と会談を持つことになる。
猛はここで伝右衛門が全てを奪われたので、ここで勇作の事を
叩きつぶすと誓う。
勇作は猛の前で、屋敷の評価額は400万程度なので、その金で
売るので、養豚場から手を引いてくれという。猛は養豚場の
立ち退き料に幾ら出すのか?と問うと、土地の評価額は200万程度
なので250万円色を付けて出すという。しかし猛は色々と経費
がかかっているので400万円を要求。それはつまり三枝の家との
交換を意味していた。営業妨害で訴えるぞという勇作に、裁判
ならば受けて立つとして一歩も引かない猛だった。

--------------------------------------------------------

静子は娘の秀子に猛を説得するよう頼む

本当に自分勝手な母親だね。他人の言う事に一切耳を貸さずに、
自分が望むことはやるべきだと考えている様だ。
勇作を育てた母親らしい態度に辟易するものがある

いよいよ本格的に取引の話

猛の方が当然イニシアチブを持つために、よりよい条件が
引き出せる。猛は養豚場を手放す変わりに三枝の実家の権利を
譲り受けようとする。
そんなに酷い取引でも無いような気がするが、どうなんだろうか。
養豚場の土地は駅前の一等地なのでそれなりに高そうな感じも
するけどね。

勇作最後のあがきか?

営業妨害で訴えるとするも、まだデパート営業はしていない
し、養豚場も出来た訳ではない。
工事の着工が遅れればそれだけ大河原家の財政が圧迫していく。
結局最後のこけおどしで有り、焦っている状況が手にとって
分かるというもの。

複雑な心境の秀子

目の前で大河原家の没落を見ていかねばならない秀子。
まぁ三枝家の立場で見れば、自分たちも過去に同様の心境を
味わってきただけに、自分だけが逃れられない所だろうか。

絹はひかるが流産した事実を知る

絹がひかるの元に会いに行くも、そこでのひかるの言葉は衝撃
的だった。流産したことに対して心では良かったと思っている
事。勇作が犯罪を犯していることは明らかで、その疑いが有る
人の子は産みたくはないというもの。

絹は三枝家の事などどうでも良いので、二人で静かに暮らそう
と提案する。

いよいよ屋敷を取り戻すとき

契約を交わして、登記簿を絹に持って帰る猛の喜びようは
見ている方としても嬉しいものがある。仏壇の前で伝右衛門に
報告するも、約束の一つを果たしたという事で、残りの約束も
また実現していくことが出来るのか。

リンドウの花

16話で起きたエピソードが今でも展開上活きている。


川端猛 …… 渡辺裕之 (孤児)
三枝ひかる …… 田中美佐子 (長女)
三枝絹 …… 江波杏子 (妻)
三枝文彦 …… 佐藤仁哉 (長男)

大河原勇作 …… 長塚京三 (大河原旅館、金融業)
中村はな …… 千野弘美 (使用人)
大河原静子 …… 福田公子 (勇作の母、旅館の女将)
大河原秀子 …… 芦川よしみ (勇作の妹、専門学校生)
大河原政之助 …… 犬塚弘 (勇作の父)


平野 …… 内田勝正 (中尉)
稲垣 …… 坂田祥一朗 (勇作の部下、藤沢を尾行させる)
清水 …… 内山森彦 (銀行員)
看護婦 …… 西大條容子


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

inserted by FC2 system