幼獣マメシバ
(2009年)

監督:亀井亨
原案・脚本:永森裕二
製作:永森裕二、間宮俊二、関佳史、松本宏、青柳洋治、波多美由
紀、細井俊介、江副純夫、小川貴史、伊藤明博、曽我勉、岡田修紀
プロデューサー:森角威之
ラインプロデューサー:岩城一平
音楽:野中“まさ”雄一

http://mame-shiba.info/


第1話 自分の部屋から半径3キロ以内で、全然生活できるのだ。
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旅行先で事故死した芝良男の葬式。
妻の鞠子は忙しなく動き、悲しみに立ち向かう中、ようやく
一段落する。
叔母の富子、従姉妹の加代子、亡くなった良男の弟の重男
そして二郎とは親戚で友人の郵便局員財部陽介の姿があった。
二郎は芝家の一人息子だが、二階の自室に閉じこもる35歳の
引きこもりニート。葬式にもろくに顔を出さずに居たかと思うと
突然下にきて、炊事をしている母の姿を携帯で撮影。祭壇や
親戚の姿を次々と撮影する姿を見て、またそんな写真をblogに
掲載するのでしょうと告げる。

重男はピンぼけした兄の遺影を見て、兄貴のこんな顔を初めて
見たという。二郎にお前が撮った写真かとし、良い写真だと
告げる。その写真は良男が昼寝している時のものだった。

二郎は親戚と顔を合わせても、気遣いを見せる様子もなく、
父のピンボケた写真を見ても、ピンボケの様な人生だとし、
毒を吐いていく。唯一の二郎の理解者である陽介は彼に話しか
けると、僕は裏表がない人間だと告げ、世間の事など我関せず
半径3km先に用はない事を告げる。

叔母達は鞠子に、土地の相続は二郎に渡るがもう少ししっかり
してもらわないと不安だという。近所に悪さをしてblogに掲載
している事を指摘し、現在は地主で家賃を取る立場故に住民も
何も訴えていないが下手をすれば警察沙汰だという。

親戚が帰った後、二郎は母が電話しているところにやってくる。
母が一体何の会話をしていたのか気になる彼。一体何を隠して
いるのか?と告げると、父さんも死んだし、私も変わらないと
行けない事を呟く。

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二郎は半径3kmをテリトリーとする引きこもり生活を送っている
が、ある時父親が亡くなったのを機に、母親までも通帳を残して
居なくなる。そして庭には豆柴犬が一匹鎖に繋がれている姿が
有った。

二郎は何故県道から先には進めなくなってしまったのか。

パニック障害を患っていると、大規模な交差点を渡る行為その
ものに辛いものが存在していたりもするけれど、二郎にもそんな
気が有るのか。それとも過去に於いて何らかのトラウマが有る
のか。

恵まれすぎた環境に置かれている為に引きこもりになれたり、
実家にパラサイト出来る現実があるわけで、鞠子の取った行動
はそんな環境を取り去る事にあったのかも知れない。

なんとなく良男が亡くなったとするのは芝居なのではないのか
という気がするが、二郎が外に出て行く課程の中で、豆柴を
心のよりどころにして、上手くそのきっかけを作っていくのか
もしれない。

ちょっと小馬鹿にするような、それでいて鋭い指摘を発して
いく、芝二郎の役所は、これぞ佐藤二朗さんお得意の台詞回し
といった感じ。


芝二郎 …… 佐藤二朗 (無職の中年ニート)
芝鞠子 …… 藤田弓子 (二郎の母)
芝良男 …… 笹野高史 (二郎の父、故人)
財部陽介 …… 高橋洋 (二郎の親戚、郵便局員。)
芝富子 …… 角替和枝 (二郎の叔母)
芝重男 …… 志賀廣太郎 (二郎の叔父)
芝加代子 …… 渋谷琴乃 (二郎のいとこ。)

市村景虎 …… 高橋直純 (ペットショップ店員。)
御手洗藤子 …… りりィ (犬の銅像のある家、家主。)
山下知輔 …… ささの堅太 (喜助の息子)
氷川さとみ …… 伊藤かな恵 (富士見公園5時の少女)
御手洗クリス …… FIFI (新造の妻、離婚調停中。)
御手洗新造 …… 西本竜樹 (藤子の息子、工場経営者。)
笹波幸四郎 …… 西田幸治 (犬好きの元サラリーマン。)
八島秀吉 …… 山田将之 (二郎の中学時代の同級生)
八島千秋 …… 木夏リオ (秀吉の妻。)

ポロ …… まめてぃ (秀吉夫妻に飼われている犬。チワワ。)
一郎 …… 柴犬 (二郎が飼っている犬)


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