幼獣マメシバ
(2009年)

監督:亀井亨
原案・脚本:永森裕二
製作:永森裕二、間宮俊二、関佳史、松本宏、青柳洋治、波多美由
紀、細井俊介、江副純夫、小川貴史、伊藤明博、曽我勉、岡田修紀
プロデューサー:森角威之
ラインプロデューサー:岩城一平
音楽:野中“まさ”雄一

http://mame-shiba.info/



第4話 どん底を経験すると、その後少し前向きになれるのだ。
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"富士見公園の五時の少女"を見つけにいった二郎だったが、
最近この界隈に現れたストーカー被害の事もあって、二郎も
不審者として通報されてしまう。
二郎は警察官によって連行され、犬の一郎はその場に取り残さ
れてしまう。

生活安全課の
谷瀬は二郎を事情聴取する。
二郎は母の消息を追う内にあの公園で、残されたメッセージに
該当する人物を探していた事を告げるが、谷瀬は嘘をつくならば
もっとマシな嘘をツケという。最近はちょっとでも変な空気を
発している人物を見ると通報されると聞かされる。二郎には
そんな空気が有るとすると、その空気はどうやってコントロール
すれば良いのか?と尋ねる。そして変な空気の罪は有るのか?と
問う。
二郎の身元引受人に連絡するも、誰も身元を引き受けるべき
人が拒否している事を聞かされる。
今晩はここに泊まって行きなさいと言われると、二郎は犬が待っ
て居ることを告げ、連れてこられるときに置いてきてしまった
と訴える。しかし刑事は犬は帰巣本能が有ると言われるが、
イチロウはまだ幼いことを告げる。

二郎は留置所に入れられる。すると先に留置所に入れられて
いる者・
笹波幸四郎の姿が有った。幸四郎は身元引受人が居ない
とする二郎に対して俺と一緒だなと告げる。
二郎はここは居心地が良いので、パソコンとお菓子さえあれば
十分耐えられるという。
二郎には犬が居ることを知って、幸四郎はその事を指摘するが
二郎は今頃は逃げて野性に返っているだろうという。しかし
柴犬はご主人に忠実で有ることを告げ、柴犬の習性にとても
詳しい姿を見せる。

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二郎は不審者として警察に連れて行かれる中、留置所内で不思
議な人物との出会いがある。
そこで新たな価値観を吹き込まれていく。

相変わらずシュールさを保ちつつも、程よい人間関係のドラマ
を描いている感じ。

その中でも犬と二郎の関係性が抽出される。

二郎に待っている人のいる事へのありがたみを感じさせるもの
だったり、他人に対して気配る事を知らなかった二郎が、
獣だと揶揄していたイチロウに対して、特別な感情が有ることを
示していく。

やはりなんと言っても今回は犬好きの笹波幸四郎の存在感が
際だった。
ちょっと異質な雰囲気を持つだけで通報されてしまうという
世知辛さが何ともピリリと辛い者があったけど、そんな状況の
中でもそれとは正反対の暖かい人間関係を描いた感じ。

わらしべ長者の話も嘘くさいと感じながらも、面白く描かれて
いたし、突如パンツを脱ぎ出すというあり得ない行動の中に、
犬に嗅がせて富士見川の千本橋のたもとに有る隠してあるカメラ
の存在の道しるべとする所など、面白い使い方だなと思った。

芝二郎 …… 佐藤二朗 (無職の中年ニート)
芝鞠子 …… 藤田弓子 (二郎の母)
芝良男 …… 笹野高史 (二郎の父、故人)
財部陽介 …… 高橋洋 (二郎の親戚、郵便局員。)
芝富子 …… 角替和枝 (二郎の叔母)
芝重男 …… 志賀廣太郎 (二郎の叔父)
芝加代子 …… 渋谷琴乃 (二郎のいとこ。)

市村景虎 …… 高橋直純 (ペットショップ店員。)
御手洗藤子 …… りりィ (犬の銅像のある家、家主。)
山下知輔 …… ささの堅太 (喜助の息子)
氷川さとみ …… 伊藤かな恵 (富士見公園5時の少女)
御手洗クリス …… FIFI (新造の妻、離婚調停中。)
御手洗新造 …… 西本竜樹 (藤子の息子、工場経営者。)
笹波幸四郎 …… 西田幸治 (犬好きの元サラリーマン。)
八島秀吉 …… 山田将之 (二郎の中学時代の同級生)
八島千秋 …… 木夏リオ (秀吉の妻。)

ポロ …… まめてぃ (秀吉夫妻に飼われている犬。チワワ。)
一郎 …… 柴犬 (二郎が飼っている犬)


野中"まさ"雄一

山本剛史、平薮飛鳥、いわきぴーのすけ


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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