幼獣マメシバ (2009年) 監督：亀井亨 原案・脚本：永森裕二 製作：永森裕二、間宮俊二、関佳史、松本宏、青柳洋治、波多美由 紀、細井俊介、江副純夫、小川貴史、伊藤明博、曽我勉、岡田修紀 プロデューサー：森角威之 ラインプロデューサー：岩城一平 音楽：野中“まさ”雄一 http://mame-shiba.info/

第5話 人の気持ちは、小鳥を持つ様にやさしく掴むのだ。
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富士見公園5時の少女・氷川さとみと会う二郎だが何の収穫も
無かった。彼女が母親からの何らかのヒントを持っているのは
明らかなのに何故何のアクションも示さないのか。

二郎の元に陽介がやってくると、二郎のプログで陽介のCDが
一枚売れたと聞いて大喜びする。北海道の人だった。
陽介は二郎に富士見公園5時の少女の件はどうなったのか?と
聞くが何もなかった事を告げる。陽介はあの楽譜に何かヒント
が有るのではないか?とし、彼女の前で歌ってみたらどうかと
いう。二郎は歌手志望の陽介が歌ってくれと頼むが、陽介は
人前で歌ったことがないので恥ずかしいという。しかし二郎
は勝手に、明日公園で歌おうと告げる。

二郎はイチロウの散歩に出る。
すれ違う犬が服を着ているのに対して、イチロウが羨ましそう
に見ていた。二郎はイチロウの為にペットショップにいって
服を選ぶ、とても高い事に驚くが、犬の服は過剰な太陽熱を
防ぎ、保温効果が有り、抗菌効果も有るのだと言われる。

翌日、陽介を連れて公園で歌を歌ってもらう。
最初は陽介も恥ずかしそうに変装して小さな声で歌うが、子供
たちにリクエストされて歌ったジンジャーマンの歌を機に自信
を付けて大きな声で歌うようになる。
いよいよさとみが公園にやってくると、陽介は楽譜の歌を歌う。
今の歌を知っているか?と問うと彼女は何も言わずに走り出す。
二郎はあなたが母のヒントを持っているはずだとして訴えかける
が彼女は何も語らないまま走る。家とは別の方向に走る彼女に
違和感を覚えるが、さとみは走り続け、ついには踏切を渡る。
踏切は二郎にとって再び大きな関門となる。
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二郎はメッセージに書かれていた富士見公園5時の少女・氷川さ
とみを見つける。警察に補導されるという遠回りをするが、
再び彼女と接触して、母親からの次なるメッセージを受け取ろう
と奮闘する。

またしても二郎が大きな関門を突破することを強いる物語だった。

たかが踏切、それど踏切なんだけど、渡るか渡らないかの選択
は有る意味、人生の決断という深い意味合いもあって、なかなか
興味深い物がある。

さとみ自信が抱えている問題と、二郎の問題が互いにリンクし、
二郎の意志がさとみに繋がっていくところなど、なかなかよく
出来た部分だった。

さとみの行動があまりに不可解だったこともあって、本当に何か
知っているのかと疑問に思ったところで、やっぱり鞠子から
頼まれ事をしていた事実が発覚する所など、上手くできていた。

イチロウの行動も相変わらず可愛らしく、寝ているイチロウの
事を眺めている二郎の姿に、完全に絆みたいなものが生まれて
いることが実感できた。

忘れかけていたけど、刑務所で出会った笹波幸四郎のカメラの
エピソードと繋がっている所など、上手く結びつけたなと思う。