八日目の蝉 (2010年4月期・NHK火22時枠) 脚本／浅野妙子 演出／佐々木章光　藤尾隆 原作／角田光代 音楽／渡辺俊幸 制作統括／大加章雅　黒沢淳 http://www.nhk.or.jp/drama/semi/

第2話 エンジェルの家〜女とは何であるか
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1999年、関東北刑務所で、希和子は薫に向けて手紙を書く。

希和子は自首しようと考えるが、迷った末に父が転勤で住んだ
事のある名古屋へと向かう。出会う女性からは薫を見て目元が
母親ソックリだと言われ喜ぶ希和子。しかし行く宛ては無かっ
た。公園で佇んでいると、とみ子という女性が声を掛けてくる。
行くところがないならばウチに来るか?と言われ、ついていくと
ゴミ屋敷のような場所へと連れて行かれる。ここで寝て良いと
言われるとその部屋だけは綺麗になっていた。部屋を捜索する
と中村めぐみという女の子が住んでいた部屋だと分かる。
薫がお腹を空かせて涙するのを見て、ミルクを作りに少し席を
外すと、何処からともなくとみ子がやってきて薫に触れようと
していた。それを見た希和子は触らないでと告げ引き離そうと
する。希和子は母乳ではなくミルクを作っているのを知って、
母乳のでない母親は肩身が狭いものだと呟く。

翌日人が来たことで目が覚める希和子。
部屋に書き置きがしてあり、人が家に来たら追い返せと有る。
玄関にいくと来たのは島本という弁護士で、この家は別の人と
契約が済んでいるのだという。真喜子という女性から電話が
鳴り、喜和子はとみ子の親戚だとして電話に出ると不審人物だ
として警察に電話すると脅してくる。島本によると真喜子は
亡くなったとみ子の夫の妹だという。とみ子が帰ってきたら連絡
をくれとして名刺を置いていく。
これ以上はここにはいれないとして外へ出て行く。
すると偶然にもとみ子と再会する。希和子は買い物に行くため
に出てきたという。するとエンゼルさんを尋ねると良い事を
紹介される。とみ子は一度赤ちゃんを抱かせてと頼むのだった。

ワゴンカーで無農薬野菜を売る文代に接触した希和子はエンゼル
に逢いたいと告げる。すると久美という女性も一緒に施設へと
向かう。
エレミア、サラたちがイゼベル(文代)を出迎えると、この人たち
で審査を受ける人ですねとして部屋に通すのだった。
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愛人によって裏切られた結果、子供を産めない身体になった希和
子は、愛人の子を盗んで逃避する。そしてたどり着いた先は!?

色んな角度から女性にとっての子供の価値や、幸せに対する考察
を描いたような話だった。

子供ならば誰でも良いのかという所から始まったドラマでは有る
けれど、逃げる先々で出会う人たちの人生模様を体感することで
希和子にどんな力を与えどんな感情を抱かせていくのか。

共同体の様な組織の理念は立派な物があると思うが、俗世での
価値観・欲望を捨てよとばかりに迫ってくるところは、見方に
よっては歪で不気味なものが存在している。

そんな中でも藤田弓子さんがエンジェルを演じることである意味
安心感が出てきた。

流れ着いた所は世間とは隔絶したような、女性救済のような場所
なのか。希和子にとっては身分を問われず、偽れる場所という
のは確かに都合がよい。

ウソにウソを重ねている希和子が小出しに本当のことを話して
いたけど、真実とウソが微妙に混ざり合い不思議なハーモニー
を醸し出している。
それでも尚、子供が居る限りは何処までも嘘偽りの世界で生き
なければならない彼女にのし掛かる重圧さ加減がこのドラマ全体
を覆い隠す。
何にも増して子供さえ居れば良いとするとみ子との出会いが
有るけれど、それが自分の子供では無い希和子は、その言葉を
どう受け取ったのか。

最近見た映画「天然コケッコー」の柳英里紗さんが出ていたな。
残念ながら入所を認められない役だったけどね。

野々宮希和子 …… 檀れい (OL、丈博と不倫)
秋山丈博 …… 津田寛治 (夫)
秋山恵津子 …… 板谷由夏 (妻)
薫=恵理菜 …… 北乃きい (秋山家の娘)
岸田 …… 岡田浩暉 (薫の不倫相手)
仁川康枝 …… 京野ことみ (希和子の友人)
薫 …… 奥村夏帆
薫 …… 宮下梓

中村とみ子 …… 倍賞美津子
沢田久美 …… 坂井真紀
高石敬子 …… 高畑淳子
長谷川ナオミ …… 藤田弓子
島本 …… 松永玲子
永井智恵子(エレミア) …… 西山繭子
小林文子(イゼベル) …… 池津祥子
榊原みえ …… 筒井真理子
徳田宏美 …… 宍戸美和公
飯塚エリ …… 柳英里紗
サラ …… 宮澤美保

森康子、奥村夏帆、宮下梓、野口有花、岸田結光
東加奈子、鈴木涼子、千鶴ちい、廣洋恵、杉山菜摘
友木ちひろ、久太朗、恩田香織、大須賀ゆうこ(声)

評価：★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)