CONTROL 犯罪心理捜査 (2011年1月期・フジテレビ・火曜21時枠) 脚本：寺田敏雄(1)、田辺満(2)、高山直也(3)、中村功一(4)(5) 音楽：井筒昭雄 編成企画：鹿内植 演出：村上正典(1)(2)(5)、佐藤源太(3)、城宝秀則(4) プロデュース：貸川聡子 アソシエイトプロデュース：小椋久雄 http://www.fujitv.co.jp/control/index.html

第5話 崩された100%のアリバイ
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交換殺人に於いて、宮田健吾の上司・檜山聡を何者かが殺害
した変わりに、宮田が別の誰かを殺害することは明らかだとし
て、里央は尾行し、ある一軒家に侵入するのを目撃。
彼が寝室に入ると既に人が死んでいた。

被害者は窪塚倫子(26歳)、夫・窪塚正義(40歳)は西陽高校の
教師で、夫は会合で忙しくなる為に、風邪気味の彼女は早く
寝ると言っていたという。宮田自身は窃盗の目的で家に入った
と証言する。
里央はそれを聞いて、窃盗ならば一階から物色するハズなのに
直接二階を訪れたのは、交換殺人だからだという。しかし
心理学教授の活躍を快く思っていない岩崎などは、教授の言葉
によって決めつけて捜査していたからそういう視点になる事を
指摘する。里央はせめてここにいる人たちだけでも信じて欲しい
と訴えるが、現場ではその為の証拠はないと言われる。

遺体を確認するために夫の正義がやってくる。
準も被害者の夫の様子を知りたいとしてやってくる。
妻の遺体だと確認した後、警察署で詳しい話を聞く。
倫子は自分の教え子だったとし、大学を卒業する頃に再会した
事。しかし彼女は遊び癖が抜けないとして、頻繁に夜遊びに
出ていたという。浮気もしていた様だったが自分にはその相手は
分からないとの事。宮田の写真を見せて、心当たりはないかと
尋ねるが、知らないという。一挙手一投足を見ていた準は
正義の帰り際に有ることを尋ねてみる。ボクシングの経験は
有るか?というもの。虚を突かれた様な正義はどもりながらも
無いと答える。

刑事達はそんな準の意見は聞かずに、被害者の男関係を調べる
事、そして正義と宮田の接点を今は捜すべきだと告げ捜査を
始める。寺西はせめて準の意見も捜査の参考にした方が良いの
ではないかというが・・・
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宮田が殺害するために入った家では、彼が殺害する前に既に
ターゲットとする女性・窪塚倫子が殺害されており、交換殺人
説が立ち消えになっていく。100%の動機と100%のアリバイが
二つの殺人事件で該当するも、証拠はなく捜査は行き詰まって
しまうが・・・

二者の間では成立しなかった交換殺人事件。しかし三者の間で
殺人の交換が行われていたとするならば、三人目の容疑者は
誰なのか。

展開としてはなかなか面白い物が有り、特に今回は心理学と
しての考察が、これまでに見せたような誰にでも分かる初歩的
で、わざとらしい行動力学から外れて、一見すると分からない
事だらけだったので、興味深さに繋がったと思う。

心理学者が女性の心が分からないとするオチも予想できるとは
いえ、面白い皮肉として写るし、二度も離婚した事を暴露されて
しまった準にも虐め材料が存在したという点も面白かった。

ただ難を言えば、三人の間には契約という縛りや、強い絆など
何もない状態の中で、目標が勝手に変更されたり、宮田自身は
最後に殺さず雲隠れする選択も有ったわけで、人を殺す所まで
律儀になる必要は無いなと思わせた。誰だって人なんて
殺したくないだろうしね。

心理学の教授に功績を奪い取られて、捜査官が嫉妬やライバル
意識も当然起こりうることだったり、小坂橋が意外と勉強家で
部下を率いるために管理術を見せるところなど、細かい部分
も上手くできた話だった。