ホンボシ 〜心理特捜事件簿〜 (2011年1月期・テレビ朝日・木曜20時枠) ゼネラルプロデューサー：井土隆 プロデューサー：井上千尋、目黒正之、和佐野健一 脚本：丸茂周(1)(3)、真部千晶(2)、武上純希 音楽：吉川清之 監督：猪原達三(1)(2)、石川一郎(3)、藤岡浩二郎 http://www.tv-asahi.co.jp/honboshi/

第3話 vs表情が読めない救命医!!キスした遺体の謎
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石段から男性が足を踏み外して落下して亡くなる。
被害者は早川亮二(40歳)。私立聖南総合病院の心臓外科医だっ
た。

捜査本部が設置され、すぐに事件の概要、そして今まで判明して
いる事が報告される。矢代有作によると死亡推定時刻は昨晩の
19時から20時。全身に打撲痕が有るが、階段から落下したときの
跡で有る可能性が高いという。しかし体にスタンガンの跡が
見つかる。財布には手が付けられていない事から物盗りとは考え
づらく、着衣の乱れと第一ボタンが取れている事、そして口元
には付着物が見つかる。

鑑識の梶原はもみ合った現場を調べる。

被害者が勤めていた聖南総合病院に行き医師から話を聞く。
熊野医師によると、早川は6時に仕事を終え病院を出て行った
という。トラブルが無かったか尋ねると、救命医の工藤昭典
(40歳)と、救命センターの存続を巡って言い争っていた事が
有ったという。
工藤に話を聞きに行くと、看護師の三崎香奈が突然入ってきて
急患が運ばれてきたと報告がある。工藤はすぐに処置室へと
向かう。そんな働く姿を見ながら、元医師の桐島と真田は、
一つ一つの判断が素早く、処置も完璧だという。

一段落した際に工藤から話を聞く。
アリバイを尋ねるとその時間は仮眠室で一人で居たとの事だった。
桐島は三崎から工藤医師について尋ねると、言葉遣いは乱暴だが
立派な医師であると証言する。救命現場の医師は4人しか居ない
為に、工藤は2週間自宅に帰っていないとの事だった。

理事長の村雨高男から話を聞く。
早川は優秀な医師で、工藤も俣造詣が深い医師だと告げる。

桐島は、真田に対して病院の医師達は患者に心を読まれない為
に表情だけで判断するのは難しい事を告げる。
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優秀な医師・早川亮二が石段から落ちて亡くなる。
病院内で救命医師をしている工藤昭典とは対立の関係にあり、
容疑は彼に向けられていくが・・・

医師たちが抱える光と影が程よい感じのバランスで描かれた
話だった。

桐島が元医師だという事を利用して、上手く工藤たちの心に
直接訴えかけるものが有ったし、医師だからこその知識の披露
と、それとは逆に難儀な一面を面白く見せつけるものだった。

心理学として描かれたのは、なだめ行動と不随意性瞬目だった。
他局のドラマ「LADY」とか「CONTROL」とかその辺でも同様の
心理的傾向が描かれることもあって、被る一面が有るのは
仕方がないけど、少しずつ初歩的な心理描写の説明感も取れて
来たし、桐島の良さが出てきている。

テレ朝のドラマ「臨場」の影響からか、鑑識たちの主張のセリフ
回しはどれも倉石義男的な感じがしてくるな。

ドラマとして良くできていたのは、そんな医師達の闇の部分が
工藤昭典というキャラクターに上手く深みを与えている所だ。
そんな彼の心の傷を癒してくれる物の存在が明らかになる事に
ドラマとしては暖かくなっていくものがある。
事件も殺人だとしていた視点から一転して、実際には助けようと
していたという全く別の意味合いが含まれていたところは、
意外性もあっても面白く出来ていた。