LADY 〜最後の犯罪プロファイル〜
(2011年1月期・TBS・金曜22時枠)

脚本:荒井修子(1)、渡辺雄介、徳永友一
音楽:河野伸、羽岡佳
音楽プロデューサー:志田博英
プロファイル監修:桐生正幸
プロデュース:津留正明、渡辺良介
演出:平野俊一、山本剛義

http://www.tbs.co.jp/LADY_cps/



第1話 日本初! 犯罪分析のドリームチーム誕生!
天才プロファイラーVS紙喰う殺人鬼!
哀しき少年神隠しの深き闇

--------------------------------------------------------
ハイヒールを履いた女性・香月翔子がホテルのパーティー会場
に到着する。既に現場にいた仲間の
寺田新堀は、遅刻だとし
て予定が狂う事を指摘。爆弾犯がこのパーティー会場に潜伏
しており、爆破予告まで20分を切っていた。会場には200人の
招待客。果たしてその中の一人を見つけることが出来るのか。
捜査一課の
柘植は、CPS(犯罪行動分析室)に特定を求める。
自分たちには声明文と行動分析が有るというCPSの主任の
結城
は、みんなで声明文を解読する。その文面はスペイン列車同時
爆破テロのパクリで、単なるテロリストかぶれの馬鹿の仕業
だろうという。
プロファイルによると、犯人は男性で20歳から30歳代半ば。
対社会型放火犯と同じで、自分を特別な人間だと思っており、
嫉妬深く、横柄で傲慢、自己性愛パーソナリティ型の人物。
見栄っ張りでおしゃれに敏感な人物を捜す様、捜査員に告げる。
しかしそれだけでは特定は難しいというと、犯人は爆弾を花火
を見るような目で見ている筈であり、隣に女性が居る人物を
探すよう指示する。犯人は必ず自分で仕掛けた爆破を見たい
筈であり、窓際に居る人物だという。窓から見える象徴的な
建物といえば東京タワー故に、そこが爆破される可能性が高く、
非難するよう要請する。
するとプロファイルに該当する一人の男性が見つかる。
香月に容疑者を刺激するよう指示が下り、香月は犯人の横を
通り過ぎる瞬間に、ハイヒールで容疑者の靴を踏みつける。
謝罪する機会を狙って関係を近づけると、容疑者は聞いても居
ないのに、次々と自分の身分を明かしていく。寺田が香月の元
にやってくると、お前はこんな奴、タイプではないだろうとし
更に容疑者を刺激する。そしてとどめは新堀がワインをかける
と、容疑者は激情し、完全にプロファイル通りの性格の人物が
目の前に立っていた。すぐに男を確保し、隠し持っていた演習
用のスイッチのボタンを押す。

これはCPSの能力を試すための訓練だった。
楡はまさかイギリスの大学と警察が共同で開発した演習システ
ムを30分でクリアするとは思わなかったと告げる。しかし結城
は、犯人に対する挑発の仕方があまりに無骨で、部下達に激怒
する。
一連のCPSの活躍を見ていた
岡林は、彼らの存在が科学捜査を
底上げしてくれるはずだと期待する。しかしキャリアの管理官
藤堂はいまだにプロファイリングに懐疑的だった。
結城は早く実際の現場で結果を出したいと感じる。

新しく設置されるCPSのオフィス。
日本初のプロファイリングチームということもあり現場としても
手探り状態。
そんな中、早速
府中市で起こった一家惨殺事件に関して、協力
を求められる。
実はこの二ヶ月前から、
八王子の一家惨殺事件、そして荻窪一家
惨殺事件
が起きており、一家惨殺事件の連続性事件としては
過去に例が無い事件だった。

早速現場にいき犯人の行動をイメージし始めるCPS職員たち。
捜査一課は彼らの行動を疑問に感じていた。

クライムシーンを分析する為、どんな侵入経路だったのか、犯人
の殺害するまでの時系列を辿り、正確に状況を分析していく。
犯行は秩序型で、遺体を侮辱していること。現場に残された
マークは、まるでゾディアック事件を彷彿させていた。
現場には子供の絵日記を貪り食べたような跡が有り、ソーセージ
の臭いがする。
それら情報を元に、CPSでは、
CIAと呼ばれる犯罪情報分析
行っていく。

--------------------------------------------------------

現場捜査官では対処できない複雑な状況を持つ犯罪が増えた
事もあり、日本の捜査に於いてもプロファイルが導入される。
設置され初めての現場に挑む5人の分析官たちは、日本でも
稀に見る凶悪犯の行動分析を行っていく。

うーん。
ドラマとしては完全に海外ドラマクリミナル・マインド
なんだけど、あまりの冗長さ加減に加えて、26歳の若手プロ
ファイラーが現場を引っ張っていくという意味で、殆ど説得力
の無いドラマになっている。
如何にもありがちなFBIアカデミーで学んできた設定の様だが
一体何年間勉強して現場を経験してきたのだろうか。

この役、BOSSの天海祐希さんくらい落ち着いた雰囲気が無い
とちょっと厳しそうだ。

冒頭からもの凄い分析の情報量で圧倒するものの、その流れが
捜査の流れとシンクロしておらず、スピード感も無けれ
ば、殆ど調べてきた類似性の有る事件の名前をただ書き連ねる
ばかりのやりとり。

二時間以上の放送枠を取ったことが最悪のけだるさを生み、
最後の犯人と香月のやりとりは、役者の気合いの入った演技や
表現力を無効化するほどの脚本家・演出家の自画自賛的演出
だった。
あの場面で香月が説得工作に入ること自体あり得なさすぎる
ものだけど、口を縛られたら説得も何も無かっただろうな。

モップガールキミ犯人じゃないよね?の二人の主人
公を掛け合わせたような感じの俳優陣で、無難といえば無難。
特に北川景子さんは見ているだけで癒されることも有り、
つい見とれてしまうが、正直出しゃばり感が強く、今後どの
ようにして、このキャラクターの鼻につく行動を無味無臭化
していくのか。

過去に背負っている傷など、刑事物の定番。
柘植の出世を阻んだ失敗とは、どうせ香月の父を助けられなか
った事なんだろうね。

香月と岡林のやりとりが実に良い雰囲気だっただけに、初回で
岡林を失ったのは正直痛い。柘植役のユースケさんは徹底的に
シリアスさを求めているので、なかなか良い感じ。小澤征悦
さんとの鍔迫り合いのような状況は、今後とも楽しみの一つ
なのかもしれない。

香月翔子 …… 北川景子 (26歳、新人プロファイラー)
結城晶 …… 木村多江 (39歳、主任、データ解析班)
新堀圭祐 …… 平岡祐太 (28歳、データ解析班)
奥居マリエ …… 須藤理彩 (34歳、情報分析官)
寺田毅彦 …… 要潤 (32歳、サブチーフ)
柘植正樹 …… ユースケ・サンタマリア (39歳、捜査一課をまとめる係長)
藤堂雄一郎 …… 小澤征悦 (37歳、管理官、キャリアエリート)
石渡順也 …… 細田よしひこ (捜査一課)
香月 舞子 …… 岡本杏理 (19歳、潔癖性)
香月直也 …… 鶴見辰吾 (父、殺害される、文政大)

オープニングナレーション:升田尚宏


岡林重文 …… 竹中直人 (捜査一課・課長)
国木田譲 …… DAIGO (26歳、虐待されていた)
国木田美代子 …… 杉田かおる (母)

古家章人、青柳翔、坂本充広

小沢一敬、竹内香苗(アナ)、鈴之助、二階堂智、潮見諭
中平良夫、森啓一郎、及川水生来、大窪晶、笠木泉、石母田史朗
芝井美香、ひがし由貴、伊佐美紀、荒木義彰、山本祐香
石清水華衣、中島凱斗、大江駿輔、佐藤詩音、正田匠吾
廣澤恵、花岡玲、大須賀裕子、児島功一、松本匠、後藤健
藤原正和


評価:★★★★★☆☆☆☆☆ (5.0)

inserted by FC2 system