救命病棟24時（第5シリーズ） (2013年7月期・フジ・火曜21時枠) プロデュース - 渡辺恒也、大木綾子 脚本 - 飯野陽子 音楽 - 佐藤直紀 演出 - 田島大輔、水田成英、西浦正記、高野舞 DREAMS COME TRUE「さぁ鐘を鳴らせ」 http://www.fujitv.co.jp/kyumei24/index.html

第9話 緊急出動！宿命の出逢い
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楓はNBC災害シンポジウムに参加しようと考える。
テロリストや事故によって化学物質などによって患者が
被害を受けた際の対処法について学びたいと考えていたから
だった。そんな中、楓は本庄が目の手術のために入院・休暇
することになった事を告げる。本庄の事を誰よりも理解して
いる広瀬は、本庄にとってこの病院は転々としてきた本庄に
とって最高の居場所だったのではないかと告げる。

医師と救急隊、医師と看護師の関係性と役割いうものを描いた
エピソード。

救急隊の有村公邦の理想論を語る姿を見ると、建物倒壊の流れに
於ける死のフラッグにも思えて、完全に死相が見て取れるぜ!みたいな
流れだったけど、安易にそうならなくて良かった。

本庄の目の手術の流れでは、普通の人間としての生活は出来る
かもしれないが、外科医としては致命的だとする流れを見ると
微妙に「コードブルー」で腕を切断してしまった黒田脩二の流れ
とも被るし、あのドラマでも倒壊によって同様のエピソードを
重ねてきたところが有った気がする。

どうも今回のエピソード、それぞれのエピソードが散漫となりすぎて
いてまとまりがない部分も多かった。
もちろんそれを描くことで医師として、看護師としての覚悟を決める
ためには必要な過程なのかもしれないが、花音の母親との関係なり、
片岡の父親との関係なりは、本当に描く必要が有ったのだろうか。

ドラマとしての見所は、カメラの長回しによるワンショットでの
シーンだ。
何気ないシーンだったけど、本庄は猿田にカンファレンスの資料
を2分間以内な説明出来るようにまとめろと言った後にストップウ
ォッチが動き始める。病院内でのリレー形式のような形で
カット無しのワンシーンとしてカメラを回して、病院内の空間全体の
状況を描き出し、、今回のドラマのテーマでも有る、医師と救急隊、
看護師のそれぞれの役割というのをたすき掛けの様な形で演出した
ものだった。
それぞれ役割は有るのだけど、一つの流れとして繋がっている事
を示唆しており、今回現場で救急隊の有村が、楓を危険な現場から
退かせる際に声をかけたシーンを際立たせるものがあった。

ただ残念ながらそれがあまり効果的に映らなかったところかも。
この手の手法は海外ドラマ「ザ・ホワイトハウス」で一日の初めの
シーンで同様の長回しのワンカットでのシーンが有ったり、織田裕二
さんのドラマ「お金がない」に於けるオープニングシーンのカット
で社長室まで入る流れを撮影したりするのだけど、苦労の割に見せ方
を上手くしないとなかなか伝わらないところがある。
ストーリーがいまいち機能していないのでこういうところで魅せよう
としているかのような感じにも思えてしまうところはちょっぴり残念
では有った。