僕のいた時間
(2014年1月期・フジ・水曜22時枠)

脚本:橋部敦子
プロデュース:橋本芙美・江森浩子・元村次宏
編成企画:中野利幸
演出:葉山裕記、城宝秀則





第6話 今、僕にできること一歩、踏み出す勇気
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拓人・25歳・秋。
拓人は歩行が困難になり車椅子での生活を余儀なくされる中、
守と共に公園に散歩する。少年たちがサッカーする姿を二人
で見る中、拓人はノートを買いたいと守に語る。
拓人の部屋では介護ヘルパーを雇うようになり、室内もバリア
フリー化して、母・美和子も拓人に協力的だった。
拓人は守に先日ヘルパーの人に風呂に入れてもらったが、
自分と似たような世代の女性だったので非常に困ったと語る。
筋肉が使えなくなるのにアソコだけは元気なのは困ったものだ
とジョークを飛ばして笑い合う。

一方守は陽菜と食事をする中で、彼女から拓人の近況を聞かれる。
恵と別れてから一年半の間、他に付き合っている女性はいるのか
どうか。守は話を誤魔化しながらも、居ない事を語る。
守は陽菜との帰り道に自分は陽菜の彼女だよね?と問うが、陽菜
は違う!と語る。しかし他の女性と会うことを禁じる彼女。

恵は正式に資格を取り、介護士として正社員として働いていた。
恵が担当している今井保は、先日ALSの集まりに行った際に、
恵と同じ年のイケメンの彼と知り合ったと語る。

一方澤田家では、陸人が大学に行かず2ヶ月が経過し、部屋に引き
こもるようになっていた。母はそんな陸人にどう対処して良い
か分からず苦悩する。
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左腕に違和感を唱えていた拓人は、いよいよ左足にも筋肉の減退
が目立ち、自力で歩行するのが難しい状態の中、友人の守だけは
変わらず接してくれていた。職場の人間、母親なども必要以上に
優しく接してくれることで、逆にこそばゆいくらいに感じる拓人。
そんな中、事情を知らない恵は繁之との関係を進めていき、
そして拓人を眺める陸人もまた少しずつ自分の人生に迷いを
生じていく。

人間関係というものが改めて抽出されるものが有り、病気の事実
とは逆に人間関係は反比例するようにして、良い感じの暖かさ
というものを感じていくものが有った。

ドラマとして一番目に付いたのは、一話飛ばしたのではないか
とするくらい、拓人の病気の事実を周りが受け入れている事実
が有ったこと。一人一人のリアクションに時間を裂いてしまうと
肝心の恵と接する際のインパクトに欠けるという部分もある為の
措置なのだろうか。

恵と拓人が再び接近している足音が少しずつ分かりやすい形で
現れているので、とても興味深いものが有ったし、この状態を
もう少し引っ張っても良いのではないかとは思ったけど、
大盤振る舞いして先の展開をどんどん見せていく流れは、予想以上
にテンポが良くて好感が持てる。

更に今回は、拓人の弟の問題にも言及するところが有った。
今まで兄弟で何かをしたことも無いであろうことを考えると、
微笑ましいものが有った。病気になった拓人が弟に教えられるこ
とは有るのかどうかという感じだったけど、勉強などでは決して
学べないことを兄や守から教わっていく辺りが良い感じで描かれた
し、母親がこの家庭に於ける問題であることに対して、拓人が
母親を一括するのではなく、一番溺愛している弟が母に言及して
いく辺り、もっとも効果的に母親の心に訴えかけるものが有った
のではないかな。

現実をもっとも受け入れられないでいるのは父親だ。
親としての立場ならば最後まで悪あがきして、息子の為に戦いたい
と思うのは当然だと思う。
奇しくも「Dr.DMAT」の5話の中で、医師の伊勢崎と八雲のやりとり
を通して、「医師が奇跡を求めるのは辛いだけだ」とした辺りの
展開を踏襲している感じでなんとも切ない状態だった。


澤田拓人 …… 三浦春馬 (22歳、就職活動中の大学4年生・ALS・宮前家具)
本郷恵 …… 多部未華子 (22歳、拓人の同級生)
水島守 …… 風間俊介 (22歳、拓人の同級生)
向井繁之 …… 斎藤工 (24歳、拓人の2年先輩、大学院、怪しい)
村山陽菜 …… 山本美月 (恵の友人、ヒナって自分で名前を言う子)
澤田陸人 …… 野村周平 (拓人の弟・医大に合格する)
谷本和志 …… 吹越満 (拓人の主治医)
本郷翔子 …… 浅田美代子 (恵の母、彼氏が出来たら連れてきなさい!)
澤田美和子 …… 原田美枝子 (拓人と陸人の母、弟にだけ期待している)

宮下正樹 …… 近藤公園 (拓人の上司)
今井保 …… 河原健二 (ALS患者、拓人の友達)
本郷の父 …… 桜井聖 (他界している)

河原健二、羽田真、竹尾一真、岩橋道子、竹尾一真、高石舞


評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)


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