アマルフィ 女神の報酬
Amalfi Rewards of The Goddess (2009)

監督:西谷弘 
製作:堀口壽一、島谷能成、高田佳夫、尾越浩文、杉田成道 
永田芳男 
プロデューサー:臼井裕詞、和田倉和利
エグゼクティブプロデューサー:亀山千広
企画・プロデュース:大多亮 
原作:真保裕一

ドラマ 「外交官・黒田康作

http://www.amalfi50.jp/



事件の真相を求め、外交官・黒田がイタリアを駆ける。
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イタリアでクリスマスムードが高まる中、黒田康作矢上紗江子
と共に宿泊するホテルへ入っていく。その二人のことを向かい
のビルから監視する男達。

2009年12月21日、
川越外務大臣とイタリア首相の面談が26日に
決まったことが発表される。参事官の
西野道生から準備を怠ら
ない様大使館員たちに告げられ、研修生の
安達などは、婦人
の好みであるジェラートについて悩む。
自分の仕事にて一杯で、新しい書記官を空港まで迎えに行く
約束を忘れていた安達は、急いで空港に向かう。
行き交う人とぶつかる彼女。安達は黒田に電話すると、研修で
イタリアではもっとも多い犯罪がスリだという事を学ばなかった
のか?と尋ねられ、安達は自分のパスポートなどが盗まれていた
事に気がつく。目の前にいる黒田が取り返していてくれた。

12月22日。日本大使館に黒田がやってくる。
レセプションパーティーでは日本からやってくる川越大臣が
スピーチを要請されており、明日来日するので警備を怠らない
様語られる。黒田は参事官に対して、レセプションパーティー
での入場の人数制限は出来ないのか?と尋ねる。現状では警備
に十分な人員を割けない事を理由に、その事を訴える。

大使館員の、
安達、羽場、谷本は、新しくやってきた書記官の
黒田について話し合う。何だか苦手な感じだという安達に
対して、言っていることには間違いないという羽場。理想論
だけならば誰でも言えるというのは、谷本だった。

黒田は
片岡博嗣から電話で連絡を受ける。日本の外務大臣と
イタリア首相の対談についてテロ予告が有ったことに対して、
恐らく愉快犯である可能性が高い事を聞かされる。しかしG8が
終わるまでは慎重に行動しろと言われる。
そんな中、喫茶店で黒田の隣にやってくるのは、フリーライター
佐伯だった。あんたが居るって事は派手な事が起こるんだろ
う?と語る佐伯だった。

そんな中、大使館に
日本人旅行者の女児が美術館で行方不明
だと報告がある。参事官は安達に対応を求めるが、イタリア語
が未熟な彼女一人だけでは危ないとして、黒田も同行すること
になる。

迷子になったのは
矢上紗江子の娘で8歳になる矢上まどかだった。
娘がトイレに行くというのでその間少しだけ目を離したすきに
居なくなったという。すぐにトイレの中も探したが娘の姿は
無かったとの事。
美術館の監視カメラを見せてもらうと、トイレに入る娘の姿と
その後に母・紗江子が入る姿が有るが、まどかがトイレから
出た姿は無かった。途中で美術館の清掃員が入る姿が写る。

そんな中、まどかの携帯から電話が鳴る。
イタリア語で語る姿に、黒田が変わって対応に出る。
すると誘拐された事が明らかになる。
黒田はすぐに警察に連絡を取ると、紗江子は勝手に通報した
事に激怒。しかしイタリアでの誘拐にはマフィア関与が欠かせず
直接の取引を法律で禁止されているのだという。
すぐにイタリアの刑事・
パルトリーニがやってくる。

一方、紗江子はイギリスで商社に勤める
藤井昌樹に電話する。
ロンドンに寄っていかないか?とする彼に、娘が誘拐された事
を話す。身代金の要求金額は10万ユーロ。藤井はイタリアでは
直接の取引が禁止されているが、念のために用意しておこうと
いう。こんな時くらいは頼りにしてくれと紗江子に告げる。

電話は全てイタリア警察が監視することになる。
身代金の受け渡しに際して、紗江子は刑事からGPS機能の発信器
を身につけていて欲しいと言われる。
イタリアの警察は、黒田の部屋に紗江子を泊めて欲しいという。
犯人は紗江子と一緒に行動していた黒田のことを父親だと思う
はずだという。

黒田の元に片岡博嗣から電話が鳴り、何故誘拐被害者の父親と
名乗ったのか?と問われると共に、G8の警備について尋ねられる。
職員内に内通者が居る可能性は低いことを報告する。

12月23日。
黒田と紗江子は犯人から要求された場所へと向かう。
駅のホームに付くと、犯人からまどかが生きている証拠の写メ
が送られてくる。次は15分後に
バチカンへ来いと指示され、
展望台へと走る。黒田は何故こんな観光地に犯人は受け渡し場所
として要求するのだろうかと疑問に感じる。
更に犯人から電話がなり20分後に
スペイン広場に有る教会に
来いといわれる。
現場に着くとスリが紗江子のバッグを盗んでいく。
それを見た警察がスリを捕まえ、それを見ていたであろう犯人
たちから取引は中止すると連絡が入る。

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G8の警備のためにイタリア日本大使館に赴任する黒田康作。
そんな彼女の前に、一人の邦人女性の娘が誘拐された事を
聞く。捜査権のない外交官の黒田だが、成り行き上、彼女の
夫であり誘拐された父として、この事件に関わっていく。

映画ホワイトアウトの作家・真保裕一が関わった映画。
面白いことにこの映画の脚本のクレジットが無いこと。
この辺の事情はwikiにも書かれている。
ちなみに監督は映画「県庁の星」「容疑者Xの献身の西谷弘
という事で、映画畑の人たちが製作している感じ。

この手の映画もドラマも俳優陣がほぼ固定されていて、安定感
は有るが俳優を見ただけでは、テレビ映画の様な印象を受けて
しまうのが正直辛い。

ロケーションとしてオールイタリアロケという事もあって、
見ているだけで癒される。これまでにも数々のイタリアロケの
映画が撮られたけど、その中でも上手く観光客目線の映像が
描かれるのではないか。
前半の1時間は、誘拐と称してほぼご当地ドラマ特有のイタリア
のロケ地・観光地を見せるために振り回された感が強く、
本題に入るのは後半から。

犯人が何故観光地に呼び出すのか。
そして呼び出された場所にある監視カメラの存在など、犯人を
特定するまでには至らない物の、不可解なシーンの数々は、
容疑者の意図を混乱させる。

イタリア人との共同捜査によって、相手が何処まで信用できる
のか分からない様な状況の中、冒頭から方々に潜伏している
容疑者の視線に特異なものが有り、それがイタリアの警察官に
まで及んでいるのでは無いかとヒヤヒヤするものが有った。

正直最後まで映画のトーンが似ていて、多少盛り上がり感に
は欠けるけど、是非この手の作品はドラマではなく映画の連作
として作成していって欲しいもの。

現在放映中の連ドラとは何処まで関わり合いが出てくるのかも
楽しみ。

黒田康作 …… 織田裕二 (駐イタリア日本大使館一等書記官)
矢上紗江子 …… 天海祐希 (娘を誘拐された旅行者。元看護師)
安達香苗 …… 戸田恵梨香 (駐イタリア大使館研修生)
藤井昌樹 …… 佐藤浩市 (商社マン)
羽場良美 …… 大塚寧々 (駐イタリア日本大使館員)
谷本幹安 …… 伊藤淳史 (駐イタリア日本大使館員)
菊原清文 …… 小野寺昭 (駐イタリア特命全権大使)
川越亘 …… 平田満 (外務大臣)
西野道生 …… 佐野史郎 (駐イタリア日本大使館参事官)
矢上まどか …… 大森絢音 (誘拐される紗江子の娘。目に障害)
佐伯章悟 …… 福山雅治 (フリーライター)
片岡博嗣 …… 中井貴一 (外務事務次官)

パルトリーニ …… ROCCO PAPALEO (ローマ市警の警部)
アルマ …… ALICE PALAZZI (美術館職員)
ファトス …… DAVIDE LORINO (修道士)
イスマイル …… ANDREA GHERPELLI (ベルボーイ)
サラ・ブライトマン …… SARAH BRIGHTMAN (本人)

UGO DE CESARE、DAVIDE LORINO、JACOPO BONVICINI


評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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