俺たちの旅
(1975年度10月期・日曜20時枠)

企画:岡田晋吉
プロデューサー:中村良男、奈良邦彦、山本剛正
脚本:鎌田敏夫(1)(2)(4)(5)(6)(7)(10)(14)(18)(19)(20)(23)
(25)(27)(30)(32)(34)(37)(39)
畑嶺明(8)(9)(11)(15)(21)(24)(26)(29)(31)(35)(36)(38)
桃井章(3)(5)(12)(17)(22)(29)(33)
水木凡(13)、剣持亘(16)、野瀬州(26)(38)
監督:斎藤光正(1)(2)(5)(6)(11)(12)(15)(16)(18)(19)(24-26)
(28)(29)(32)(33)(37)(38)
出目昌伸(3)(4)、小山幹夫(13)(14)(22)(23)(30)(31)(36)
土屋統吾郎(7)(8)(20)(21)(27)(34)(35)、
恩地日出夫(9)(17)、大森健次郎(10)、木下亮(39)
音楽:トランザム

http://www.bs-j.co.jp/oretachinotabi/



第39話 ニッポンの将来はどうなりますか?
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関東物産に勤めるグズ六の兄・熊沢昌也
昌也は副社長の息子・
坂口の上司であり課長だが、坂口は
会社近くの喫茶店に勤めている美人ウェイトレスの
ケイコ
同棲する為に会社を辞めてしまう。副社長に命じられて、昌也
はアパートまで説得にいく。サラリーマンからドロップアウト
する事は若者の流行だが、君はエリートだとし、関東物産の
将来を担う人物であると説得する。坂口は商社で働き日本経済
を動かすことは誇らしいけれど、一生競争し他人をけ落として
いくのかと思うと空しいという。日本経済よりも彼女のことが
大切だという。

グズ六とワカメはこの日、テレビ局の仕事。
テレビ局に出演する主婦の女性が足りないために、依頼主から
主婦を集めて欲しいと言われたのである。そこでグズ六とワカメ
は女装してテレビ局に行くことになる。グズ六は早稲田大学を
出たのにこんな事をしている自分を恥じる。そんな格好で駅へ
と向かうと、そこで帰宅するグズ六の兄・昌也と偶然出会う。

グズ六と昌也はアパートに戻ると、カースケたちの居る前で
話し合う。仕事なので仕方なくやったのだと語るグズ六。
しかしカースケたちはウチの会社の社長である事を告げる。
昌也は、自分は一流商社の課長であり、三男のノブヒロは
ビルマ大使館勤めをしているのに、次男のグズ六だけが落ちこ
ぼれだと責める。会話を聞いていたワカメは、確かに見てくれ
は悪い仕事だが、先月は16万7千円の給料が出た会社である事
を訴える。グズ六も昌也から見れば軽蔑するかも知れないが、
会社勤めよりも今の生活の方が人間らしい生活を送っている
事を告げる。しかしそんな話に耳を貸さず、昌也はグズ六の
事を熊沢家の恥さらしだと語る。

帰宅するグズ六は落ち込むが、紀子は彼を慰める。
兄は兄であり伸六は伸六だと告げると、グズ六も元気を取り戻
していくが・・・

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グズ六の前に商社に勤める兄・昌也が現れる。
きちんとした会社で働かないグズ六に対して非難するが
彼は出世するために、弟の"なんとかする会社"にある仕事を
頼むことになる。しかしその意図を知ったグズ六達は、憤り
を感じていく。

自分らしく生きることの難しさを改めて描いた物だった。

かつてはグズ六が非難する立場の人間だった訳だが、完全に
カースケらの生き方に感化された彼は、今度は兄から非難され
人間らしく生きる事のすばらしさを訴えていくことになる。

昌也には出来ない生き方、そしてグズ六には出来ない生き方。
ハッキリとした正解も無い中で、互いにコンプレックスを持ち
つつ非難することでしか自分の中の不満を解消できないのは
辛いこと。

昌也にとっては、グズ六たちばかりでなく、部下であり副社長
の息子・坂口もまたグズ六の提唱する幸せの形を訴えている
事もあって、より否定したくなるシチュエーションを上手く
作った感じ。

日本経済を作ったとするプライド。
そんな土俵の上で自由に生きているグズ六のことを否定したく
なる気持ちも分からないでもないが、妻の存在やら妻の態度
が正解のない問題に一つの答えを見出しているところは面白く
出来ているところだ。

それにしても中尾彬さん、柴俊夫さん、みんな若いね。


最後、昌也は砂漠の支社に飛ばされてしまう。ああ無情

津村浩介 …… 中村雅俊 (カースケ、修学院大学)
中谷隆夫 …… 田中健 (オメダ、修学院大学)
熊沢伸六 …… 津坂まさあき (グズ六、紀子の彼)
山下洋子 …… 金沢碧 (バスケ部のマネージャー)
中谷真弓 …… 岡田奈々 (オメダの妹)
中谷美保 …… 八千草薫 (オメダの母)
竹内紀子 …… 上村香子 (グズ六の彼女)
竹内健太郎 …… 北村和夫 (紀子の父)
竹内綾子 …… 津島恵子 (紀子の母)

谷昌彦 …… 穂積隆信 (世界教育販売・営業部長)
野中順子 …… 丘淑美 (クズ六の同僚)
森田和子 …… 関谷ますみ (クズ六の同僚)
山下茂夫 …… 瑳川哲朗 (洋子の父)
山下幸子 …… 小林千登勢 (洋子の母)

坂田大五郎 …… 名古屋章 (たちばな荘大家・食堂いろはの主人)
坂田奈美 …… 水沢有美 (大五郎の一人娘)
浜田大造 …… 森川正太 (ワカメ、浪人生"たちばな荘")
桜井時江 …… 結城美栄子 ("たちばな荘"住民)


熊沢昌也 …… 中尾彬 (関東物産課長、坂口の元上司)
熊沢貴子 …… 岩本多代 (昌也の妻、愛情無し)
坂口 …… 柴俊夫 (関東物産副社長の息子)
ケイコ …… 伊藤めぐみ (坂口の彼女、元ウェイトレス)

内田稔

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