俺たちの旅 二十年目の選択
(1995年9月1日放送)

企画:中村良男
プロデューサー:藤本鈴子、門屋大輔、佐藤丈
脚本:鎌田敏夫
監督・演出:齋藤光正
製作:田中正雄、荒木功、武井英彦
制作担当:澤田勝美
制作主任:中沢晋






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隠岐で再会してからさらに十年。四十代になった彼らは、それ
ぞれの人生を歩む。

この日
鳥取造り酒屋を営むオメダは職員たちと一緒にドイツ
のビール工場の視察から帰国し空港に居た。たまたまその空港
チューリッヒから帰国した洋子とバッタリ出くわす。
夫になる人が液晶のチューリッヒの研究所に居るという洋子は、
籍は入れて居ないが事実婚状態である事を知る。オメダはカー
スケと洋子は一緒になっているかと思ったと語る中、カースケ
も結婚して子供が出来ている事を語る。
カースケは妻の実家の
会社を引き継ぎ、傾きかかっていた会社を見事建て直した
のだ
と告げる。

洋子は10年前の事を思い出していた。
鳥取までカースケが探しに来てくれて、自分と一緒になろうと
言ってくれたこと。しかし洋子はそれが同情であると感じて、
断っていたのである。

カースケは妻・聡子との間に息子の直也を授かっていた。
そんな息子ももうすぐ小学生になる。教育ママの聡子は、塾に
入らせる為に直也の自由を奪い、指導する。元々聡子は国際線
の客室乗務員で、海外でカースケと出会った格好だが、聡子は
家庭に入るとカースケが思い描いていた人物と違いすれ違い
の生活をした結果、カースケは別人と浮気してしまう。その事
でより聡子は嫉妬深く、そして家庭に執着を見せるようになって
いた。カースケの傍には常に義母がつきまとい、仕事の件で
スケジュールを徹底管理される生活を送る。

人材派遣会社・NSビジネスを立ち上げていたグズ六は、浮気
したことで、妻の紀子とは別居状態だった。そんな中、田中大
造という人物から手紙が届く。なんと旧姓浜田・・・ワカメか
らの手紙だった。

カースケは会社にいくと、役員たちと対立の関係になる。
役員達は即収益の出る事業を求め、研究員の吉村所長たちの
処遇について利益にならない事業のリストラを求めるが、
カースケは研究とはそういうものではなく、吉村の技術のお陰
で成り立っている事を告げる。カースケは吉村に会うと、本社
の意向など気にせず研究してくれるよう頼む。

グズ六は
井の頭公園駅に降り立つ。
娘の里香が下校する姿を静かに見守っていた。そして彼女が
友達と別れて一人になったのを見計らい話しかける。
グズ六は紀子の様子をさり気なく尋ねる。グズ六は自分が住んで
いる住所を里香に知らせると、紀子にも言って置いてくれと
頼む。里香は夫婦の事なので離婚するかどうかは両親が決めて
くれとばかりにクールな一面を見せる。

グズ六のアパートにカースケがやってくる。
紀子の元に行ったらここに居ると聞いたとカースケ。
グズ六は昔から女性にモテるから、自分の元に女性がよって
くるとばかりに浮気を正当化しようとする。カースケは紀子
も浮気くらいでは動じない人だったのにどうしたのかと問う。
グズ六は浮気した経緯を語る。
今年で46歳になるというグズ六は、人生の踊り場である事。
このままの人生を続けて良いのか考えていた際に、現れた
女性と浮気してしまった
という。知人からスペインの
マジョルカ
島のホテルを日本企業から買い取ったので、オーナーをしない
かと声を掛けられ、迷っている事を告げる。カースケは
マジョルカ島のパンフレットを目にして、自分の理想がそこに
ありそうな感じがしていた。
カースケは自分の今の立場を説明する。何処に行くにも秘書が
付いてくること。自由のない暮らしに、馬鹿な事ばかりして
いたあの頃が良かった事を語る。

そんな中、カースケはグズ六と共にワカメから手紙が届いた
事を話し合う。
身延で新たに旅館を始めたワカメから、最初の
客には是非カースケたちになって欲しいと言ってきたのだった。

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十年目の再会の再放送を見忘れてしまい、結局三十年目の運命
を見て、今回の再放送で二十年目の選択を見るという始末。
何時になったら十年目のエピソードを見られるのだか・・

十年目の再会は見ていないものとして感想を書いているので
その辺はご了承の程を。


■カースケは結婚し子供が居る

妻は国際線のフライトアテンダントをしていた女性・聡子。
息子は5歳の直也という子が居る。
結婚した後、妻の実家の工場の建て直しに協力し、カースケ
が見事社長になって立て直して業績を挙げている様だ。
しかしカースケは浮気した過去が有り、妻は相当嫉妬深くな
っているという状況。

■グズ六も浮気で別居中

人材派遣会社の"NSサービス"を作り見事軌道に乗っている
様子。紀子はいつもは浮気を許しているが、今回ばかりは
何故か怒っている様子。今回はそれが何故なのかが一つの
ドラマの興味に繋がっている。

因みにグズ六には二人の子供、里香とタクロウが居る。

■オメダは結婚して造り酒屋を引き継ぐ

10年目の再会の際に出会った女性と結婚した様だ。
洋子の事を一途に思っていた彼だけど、流石に40歳代。
妻子持ち。しかも彼女の父親が市長選で出ようとしていた
がその変わりにオメダが出馬することになっていく。
ドラマでは最後にその事実が発覚して、新聞で戦況が有利で
あるのを知る。

■洋子との再会、ワカメとの再会

冒頭でオメダが最初に洋子と再会した。
洋子はチューリッヒから帰国。夫が外国の研究所に留学してい
るという感じ。帰国してからは仙台に居る様だが、実家が
仙台なのかな。

ワカメは身辺で田中千晴と結婚。彼女と共に旅館を経営し始め
ることにし、最初の客にカースケたちを招待したいとして、
今回手紙を届ける。

■40歳代は人生の踊り場

グズ六が最初にこの問題を提起した感じ。
グズ六が浮気した原因も40代になって、人生を振り返り、この
ままの人生で良いのかという寂しい思いをしている際に出会った
女性と浮気をしてしまった。紀子はこれまでの浮気はあくまで
悪い癖だったが、今回は本気で妻子を捨てようとしていた事を
許せずに居る様で、紀子にも男性の影が有るようだ。

しかし結果的に子供達に仲裁してもらい元の鞘に戻っていく。

■カースケは義母、そして妻に顔が上がらない

津村の名前を引き継いだけれど、実質的に婿養子っぽい形で
宮前家の会社を経営している。その手前なのかすっかりカースケ
らしさを失い、その事をワカメの旅館で再会した際に洋子に
指摘されてしまう。堂々としたカースケが好きだったこと。
奥さんの焼き餅くらいでオロオロとするカースケの姿など
みたくはないこと。

■昔を懐かしむグズ六のセリフ

マジョルカ島に知り合いからホテルのオーナー経営をしないか
と誘われた際のシーン。

そろそろ先が見えるともう一度階段を下りて元の自分に戻りたく
なる。でもムカみたいに身軽ではない。階段を駆け上がること
は出来ない。遠い日の花火のようなもので本気ですることでは
なく、頭の中で夢のように思っていれば良いと。

■洋子の恋愛観・結婚観

恋愛は二人で生きる二つの人生。結婚は二人で生きる一つの
人生だという洋子。

■カースケは自分流を貫く

マジョルカ島にいく決心をするカースケ。
他人の作った階段には上れず自分で階段を作っていきたいと
する彼。ただその中に息子を引き合いにして、大きな空の下
で育てたいとする教育観を出してきた。自分流を息子
に伝える為のものだが、それが良い事なのか悪いことなのか。

■洋子の妊娠は本当なのか。

カースケがマジョルカ島にいくと決めた際に、不自然なくらい
に引き留めたのは洋子だった。妊娠していなければ洋子は
カースケに付いていったのではないかと思う所も有るし、
逆に妊娠だと嘘をついて、自らの箍が外れるのを防いだのかも
知れない。

津村浩介 …… 中村雅俊 (カースケ)
中谷隆夫 …… 田中健 (オメダ)
熊沢伸六 …… 津坂まさあき (クズ六、紀子の彼)
山下洋子 …… 金沢碧 (バスケ部のマネージャー)
中谷真弓 …… 岡田奈々 (オメダの妹、高校生)
竹内紀子 …… 上村香子 (クズ六の彼女)
田中(浜田)大造 …… 森川正太 (ワカメ)

津村聡子 …… 石井苗子 (カースケの妻、教育方針にズレ)
神崎小枝子 …… 左時枝 (オメダの妻)
田中千晴 …… 神田うの (ワカメの妻)
熊沢里香 …… 小島聖 (グズ六の娘)
吉村 …… 北村総一朗 (宮前精工・研究員)
宮前恭子 …… 岩崎加根子

本社役員 …… 平泉成

柴田林太郎、蛭田有希子、世永亜実、片岡和香子、山田侑磨
大野麻耶、山口雄三、平野明里

評価:★★★★★★☆☆☆☆ (6.0)

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