クローザー The Closer (シーズン5) http://lala.tv/programs/closer/

Jul. 6, 2009
第5話 死の意味 Half Load

脚本／Ken Martin、Mike Berchem 監督／Roxann Dawson
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休日にブレンダはフリッツの運転で愛猫・キティの私物を処分
する為にネコの保護センターに持ち物を寄付しようとしてい
た。そんな中、ガブリエルから電話が有り、クレンショウの
コミュニティセンターで遺体が発見されたという。ジャック
神父の教区ねとブレンダは呟くと、フリッツの運転で現場に
向かってもらう。

現場に着くとガブリエルから現状を報告される。
被害者はレジナルド・グレイ(35歳)・黒人。後頭部に銃弾が
一発当たって亡くなったという。現場からは凶器も薬莢も見つ
かっていないとのことで、現在センターのメンテナンス係と
して雇われていたとのこと。過去には犯罪歴があり、ギャング
団に属していたこともあるが、第一発見者のジャック神父の
教会に住んでいたのだという。神父によると、「昔は罪人で
も今は聖者」だと語っているとのこと。今のレジーを憎んでい
るものなどいないと。

現場にはテイラーがリカルド記者を連れてやってくる。
神父の事を紹介する姿にブレンダは、また記者が来ている事
を嘆くがテイラーによるとポープの命令であり、ロス市警の
見解を正確に報道する事を約束してくれているとのこと。
タオによるとまで検視官が来るのに一時間はかかるという。
コミュニケーションセンターの庭のスプリンクラーは毎晩10時
以降に作動するので、その前に殺されたであろう事は明らか
だった。しかし聞き込みの結果、銃声を聞いたもの、不審者
を見たものは居ないという。

現場に留まらなければならない為にフリッツが変わりに猫の
保護センターにいく事を告げる。

被害者から財布が抜き取られていない事から強盗の線は薄かった。
リカルドは何故殺害されたのか?と問うと、フリンはクソ野郎
とクズ野郎の犯罪者だから殺されたのだろうという。その言葉
を聞いていたジャックは聞き捨てならないとして、反論する。
レジーは地域のために力を尽くしていたのだとし、町中の壁
の落書きに関しても自費で道具を購入して、落書きを消していた
のだという。更に中学生に諭して、ギャング団に入らない様
活動をしていたとのこと。
ブレンタは教会を調べさせて欲しいと告げると、令状は有るのか
と問われる。テイラーたちは被害者がホントにレジーなのかと
告げると、周りのものは誤解を与えないようにフリンの言葉
を柔らかく翻訳して、伝える。公式には身元が確認されて
いないのだとし、レジーである事を確定しているものは、神父
の証言だけなのだという。
ブレンダはレジーが保護観察の身であるならば、令状もなく
捜査はできるのだとするが、神父は既にレジーは他界しており
その権利は当たらないという。ブレンダは令状が取れるまで
の間に、テイラーたちに話して公共の場であるコミュニティー
センターを調べるよう指示する。フリンとプロペンザには、
保護観察官と連絡を取り彼の住居を調べる令状を取って欲しい
とのこと。ガブリエルには被害者の母親に事実を伝えて欲しい
と頼む。ブレンダはサンチェスに対して、この地域で何か
知っておくべき事は有るか?と尋ねると、見晴らしの良い教会の
鐘撞き堂へと連れて行く。
サンチェスはこの見晴らし台からは街を牛耳るギャング団の
全てのシマが一望できるのだとし、麻薬地域、銃器扱い地域、
車の窃盗地域などを写真を撮って説明する。この界隈では
色んな民族が入り交じるが、大抵は三大ギャング団に属して
いるがそれに入れないものたちは第四のギャング団に在籍
している事を語る。

処刑スタイルで殺害されている事からするとギャング絡みの
事件の線が強いとされる中で、レジーの教会での住処の捜索令状
がおりて調べると、部屋には奉仕活動のパンフレットやマリア像
などが有り、事件と関係しそうなモノは一切無かった。
神父が言っていたようにレジーは先月3回に渡って落書きを
消していたことが判明する。タオによると、ペンキ自体は
サンドブラスト装置を使えば簡単にはがせるという。
我々の知らない敵が居たのかどうか。

レジーの母から話を聞くと、息子は構成して敵など居なかった
事を語る。

そんな中、バズは監視機器の補助金を申請していたが、アメリカ
景気回復再投資法によって、7万ドルが交付された事が分かる。
取調室の監視カメラ映像を新調できるとして一同興奮する。
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前科の有る35歳の男性・レジナルド・グレイ(通称:レジー)が
朝遺体で発見される。
この地域はギャング団が市民の生活を脅かしており、教会
周辺にまでその恐怖が押し寄せ、警察が何もしてくれないと
して市民達は憤りを感じると同時に警察に対する不信感を
露わにする。

前科のある男が過去の犯罪から更生し、罪を償うために教会
に住み込みで働き、市民達の模範となっていた。
しかし一発の銃弾によってそんな男は倒れてしまう。

色んな意味で奇跡的な事件だった。
独りの死によって市民が立ち上がるというのは有るけれど、
不条理な死がもたらした意味のある死へと推移していくところ
など見事なストーリーだった。
失意のどん底にあるブレンダや市民たちが、繰り返し行われる
悲劇の連鎖と、塗り替えられる壁に対して、より良い未来を
描けずにいる中で、その希望の光というものが射していく物語
でなかなか感動的な流れだった。

やはり凄いのは教会の神父の語る説得力と、子を失った母親
の悲痛な叫びというのがブレンダを含めた人々の心を揺れ動か
せたというところなのだろう。あのプロペンザの心さえ動かした
のだから大したものだと。

スラム地域という事も有って、サンチェスが大活躍。
サンチェスは信心深くて教会の中を横切る度に十字を切って
いたのが印象的だし、ギャングの事を密告すれば不幸が起きる
という事を知りつつも、勇気ある証言を求める辺り、ちょっぴり
気むずかしさなんかも存在した。

事件捜査自体は至ってシンプルだった。
それを証明するのも難しいとは思うのだけど、薬莢がない
ことや、32口径という照準の付けづらい銃・銃弾が命中して
しまう辺りの皮肉さがなんとも言えない物が有った。

流れ弾が当たってしまうという事は良くあることだと思う
けど、これだけの遠距離で全く殺意のない銃弾が当たってしまう
辺りの皮肉さもまた心情的には複雑なものにした感じ。

過去にもアメリカの番組の中でミステリアスな事件と称して
似たようなケースが取り上げられたことがある。
銃弾を空中に向けて発砲した弾がたまたま落下してきた際に
下にいたものに当たって亡くなってしまうという事件が
発生していたというものだった。

神父がきな臭いなとか、マスコミのリカルドがまた執拗に
関与してくるネタなのかと思いウンザリするものが有ったけど、
その印象とは逆に神父は神父らしい振る舞いをしていたところ
は逆にサプライズ感が有った。

取調室のモニタが無線で容易に切り替えが出来る様にグレード
アップしたらしい。タオが切り替えまくって、プロペンザが
辞めろ!と言っていたけど、現場の装置なんかも新しくなる
のかな。

ブレンダとフリッツは子供を持つことになっていくのかな。
ブレンダの家の部屋に、未解決・レイプ魔のフィリップ・スト
ローの捜査資料(Season 4, Episode 13)が一面に貼り付けて
有ったね。

ジャック神父はSeason 3, Episode 2 に続いて二度目の登場。