| Dr.DMAT ～瓦礫の下のヒポクラテス～ (2014年1月期・TBS・木曜21時枠) 原作：髙野洋、菊地昭夫 脚本：穴吹一朗、吉澤智子 企画：石丸彰彦 プロデュース：加藤章一 演出：倉貫健二郎、松田礼人 音楽：末廣健一郎 主題歌：関ジャニ∞「ひびき」     |
| 第6話
余命なき緊急手術 *-------------------------------------------------------- 未だに意識が戻らない春子は肺炎によって悪化する。 人が苦痛に耐えられるのはその先に希望があるから。希望を費え た時、たった一日を過ごすのも耐え難いものになる。 町工場をしている、土屋加工の社長・土屋哲也は銀行に追加融資 を頼むが断られる。その帰り道、土屋は突然胸の痛みで倒れて しのう。既往歴が有り、最近手術した跡がある事を知ってすぐに カルテを調べると、患者は土屋哲也で消化器内科の患者だった。 一方車輌との接触事故でガードレールに腕を挟まれ尺骨橈骨を 開放骨折した学生・江上明日香が運ばれてくる。江上は運ばれて くる中で、自分はプロのバイオリニストを目指して毎日練習 してきたが、手は治るのかと必死に問う。 土屋は胃がんのステージ4の患者だという事を知り、ICUに回す様 小曽根からの指示が有る。この調子だともって一ヶ月の命だろう とのこと。 また同じ時刻に運ばれて来た江上は右腕の神経が切断されて いる事を知る。 医局ではバンビこと響が外科見学に最近積極的になっている事を 小曽根は知る。伊勢崎は響が下肢の切断術についての学術書を 読んでいる事を知る。響はエレベーター事故で柏木を助けられな かったことに関して少なからず責任を感じていたのである。 -------------------------------------------------------- |
| 二人の患者が運ばれてくる。 一人は末期がんの患者で、既往歴がある男性・土屋哲也。 もう一人は車両事故に巻き込まれて手の切断を余儀なくされた バイオリニストの学生・江上明日香だった。 共に生きている希望を失い、失意のまま病室で寝ているだけの 状態であり、ただ生きているだけの状況に何の意味があるのかを 嘆いていた。それを聞いた響は春子のことを思いだす。 関わる患者の姿を見て、春子の件に対する響の考えに葛藤をもたら す感じのエピソード。 土屋の流れは色んな意味で複雑な事情が絡み合っているので、 どうすることが正解なのか、それぞれの価値感によってその対応 は変わってきそうだけど、一番の大切にすべきなのは患者の気持ち なのか、それともそれを見守る家族の気持ちを救うことなのか に於ける複雑な気持ちを喚起していて、上手いこと描かれている。 響のしていることは医者としての使命なのか、それとも自分の トラウマと葛藤し解消する為のエゴなのかって感じ。柏木亮の 件での失敗を活かしたといえば聞こえは良いのだけど、逆の側面 から見ると、自己満足の為に患者を利用したようにも見えるところ がマイナスな点だ。 今回の末期がん土屋の流れは、「S -最後の警官-」の5話と似たよう な葛藤・問題をもたらしている。 「S -最後の警官-」の時には、末期がんの患者が犯罪を犯し、殺す べきかどうかの葛藤が現場で起きた刑事のドラマだけど、TBSは 同じプロデューサーが現場を掛け持ちしているのかってくらい似た ような素材が同じ週のエピソードで描かれることが多いね。 終末期の患者にとっては死が希望となることがあるという問題提起 も行われて、必ずしも生きていることだけが希望ではないというのは 寂しい感じ。 希望を失うという意味では、「僕のいた時間」の主人公は、ALSの 難病に陥っていて次々と出来ることを失っていくという役柄だが、 6話の中で、ALSの兄が弟に対して語って聞かせるように、自分に やれることを見つけ出すことが希望に繋がって居るとのことなので 絶望的状況の中でもなんとか希望を見出して欲しいところだね。 医者には2つの仕事がある。 「命を救うこと」「正しく死なせること」。 相変わらず響と医院長の会話は真に迫って興味深いところで やりとりされているね。 |
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八雲響 …… 大倉忠義 (内科医、DMAT隊員) 吉岡凛 …… 加藤あい (看護師、響と幼なじみ。) 八雲春子 …… 瀧本美織 (響の妹、1年前から意識がない) 伊勢崎紅美 …… 市川実日子 (DMAT隊員の脳外科医) 小曽根達也 …… 佐藤二朗 (DMAT隊員の外科医) 長谷川久美子 …… 麻生祐未 (DMAT隊員の看護師長) 村上和司 …… ほっしゃん。 (外科医) 花田大吉朗 …… 松尾諭 (有栖川総合病院事務員) 水野幸子 …… 滝沢沙織 (有栖川総合病院救命センター看護師) 伊勢崎勝一 …… 國村隼 (病院長) 八雲雷蔵 …… 左とん平 (響、春子の父方の祖父、奥多摩で診療所) 小松健二 …… 高木雄也 (東京消防庁ハイパーレスキュー隊員) 桜庭周作 …… 石黒賢 (東京消防庁ハイパーレスキュー隊員) 近藤道子 …… 未来 (看護師) 沢井幸助 …… 日中泰景 (看護師) 木下智治 …… 小林徹 (業務調整員) 早川智 …… 阪田マサノブ (外科部長) 相沢 みき …… 飛鳥凛 (看護師) 西川真里 …… 辻本舞 (看護師) 土屋 哲也 …… 小倉一郎 (患者) 江上 明日香 …… 徳永えり (患者) 川畑智也 …… 相馬圭祐 (加害者) 小林一英、野村修一、大塚ヒロタ、 迫田孝也、松本岳、瀬戸将哉、丹下一、角南範子、木川淳一 町屋友康、鈴木貴之、小山圭太、池内直樹 倉貫匡弘、古川康 評価：★★★★★★☆☆☆☆ (6.0) |